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■京都 千年の誘い

弁慶の故郷に戻った石は雑踏の中にたたずむ

【弁慶石】
  ここ数年ですっかり様変わりした三条通り。若者を中心にしたブティックなど、おしゃれな店が並ぶビルの一角に、古風な?石がある。「右側をよく見て歩かないと、見過ごしますよ」。寺町通りの交番でお巡りさんにいわれ、寺町から西へ歩いてみた。すると、御幸(ごこう)町通りを過ぎて麩(ふ)屋町通りにさしかかろうとする少し手前、ビルの階段の下に石があった。横には「弁慶石」の石碑。

 伝承によると、三条京極というから、このあたりに住んでいた弁慶がこの石をたいへん愛していたという。ところが、弁慶の死後、石は青森・高館に移されていたそうだ。

 それがある日、”発声鳴動”して「三条京極に往かむ」といったため、享徳3年(1454年)に都へ戻ったといわれている。弁慶石町という地名も残っており、ここから南へ20分ほど歩くと、義経との出会いの場所になったとされる五条大橋(当時の五条大橋は現在の松原橋といわれ、ひとつ北になる)がある。

 三条通りは人通りが多いが、この石に足をとめる人はほとんどいない。でも、雑踏のなかで石を見ていると仁王立ちした弁慶の姿が浮かんできて、なぜか気持ちが落ち着いた。

《所在地》
京都市中京区三条通麩屋町東入ル
(地下鉄・市役所前下車徒歩10分)
(阪急電車・河原町下車徒歩15分)


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