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■京都 千年の誘い

怪鳥が飛び交った池もいまは児童公園

【鵺(ぬえ)池】【神明神社】

 漆黒の闇に閉ざされた平安時代の夜。今では想像もつかないほど怖い世界だったのだろう。そこに、怪物が跋扈(ばっこ)する余地が生じた。

 鵺も、そのような背景で生まれた怪鳥だった。頭は猿、胴は狸、手足は虎、尾は蛇、そして、なんとも不気味な人の悲鳴のような鳴き声を出していたという。

 平家物語「巻第四」によると、この怪鳥が毎夜、御所を襲って近衛天皇(在位1141年〜1155年)を怖がらせていたという。そこで、登場したのが源頼政(1104年〜1180年)である。かねてから武勇のほまれが高かったため、鵺退治の白羽の矢がたった。

 さっそく、御所で待機して怪鳥が現れるのを待つ。すると「東三条の森の方より、黒雲一村立ち来ッて」(平家物語)現れたのは鵺。頼政は見事にこれを射落とした。家来が刀で9度刺してとどめを刺し、丸木舟で流したという。

 さらに7年後の二条天皇の時代にも鵺が現れたため、また頼政が召されて、「めざすとも知らぬやみ(目を刺されてもわからぬほどの真っ暗闇)」(同)の中で再び退治した。

 この鵺退治の鏃(やじり)を洗ったのが、二条城の北側にある二条児童公園の鵺池。いまでは、きれいに整備されて、子供たちが水遊びに興じている。とてもこんな怖い話の舞台とは思えない。しかし、その池の跡には元禄13年(1700年)に建てられた石碑がある。いまでは風化して文字が読めなくなくなっため、公園北側の神社の中に石碑を作り替えて建てている。

 また、鵺退治に先立って頼政が祈願した由緒ある神社が、四条烏丸の繁華街から少し南へ行った所にいまも健在。高倉通綾小路の神明神社には鵺を退治した鏃といわれるものが書付とともに2つ残されている。その鏃はこのサイトで外部に初公開となった。氏子総代で料理屋「うおすえ」の田和弘二さんは「昔ほどにぎやかではありませんが、いまも9月の祭礼ではこども神輿も出るんです」という。  

《所在地》
鵺池 京都市上京区主税町(二条児童公園内)
神明神社 京都市下京区東洞院通綾小路東入ル
(阪急電車・烏丸、地下鉄・四条下車徒歩5分)

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