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■京都 千年の誘い

江戸時代は尋ね人や迷子探しに活躍

【月下氷人石】【迷子みちし留遍石】【奇縁氷人石】

 江戸時代の迷子などを捜すための“伝言石”が、現在、京都には3つ残っている。観光客でにぎわう八坂神社。四条通りの突き当たりに楼門があり、ここから参拝に訪れる人は多いが、「正面玄関」はここではなく南側の南楼門。その門の横に月下氷人石といわれる石柱が建っている。

 天保10年(1839年)に建てられたもので、正面には「神燈」と大きく彫られていた。その右側面に「尋方」、左側面に「教方」と彫ってあり、それぞれに紙を貼り付けて所在などを捜したのだろう。交番や新聞、テレビなどマスコミがなかった時代には、人の集まる場所の「月下氷人石」は大いに重宝されたと思われる。

 もうひとつは、六角通新京極下ルの誓願寺。江戸時代後期ごろから卒塔婆などで、尋ねたり教えたりしていたようだが、この「迷子みちし留遍石」は明治15年に建てられたもの。修学旅行生らでにぎわっている新京極商店街に面して門の横にある。右に「教し由る方」、左に「さがす方」と彫ってある。このあたりはかつて芝居小屋や見世物小屋が多く、人出もかなりあったという。それだけに迷子や落し物が頻発し、この石が大活躍した。しかし平成の今、賑わいは変わらないが、この石に注目する人はほとんどいない。

 3つ目は北野天満宮。南大鳥居を入って20メートルほど行った左側の茶室・松向軒の庭に建っている。正面に「奇縁冰人石」と彫ってあり、右には「たつぬる方」、左に「ゆしふる方」とある。このあたりは天正15年(1587年)に豊臣秀吉が北野大茶会を催したところで、この石の近くには利休七哲のひとり、細川三斎(忠興)の井戸が残っており、大茶会ではこの水も汲まれたという。

《所在地》
月下氷人石(八坂神社)  京都市東山区祇園町
(京阪電車・四条下車徒歩5分)
(阪急電車・四条河原町下車徒歩10分)
迷子みちし留遍石(誓願寺) 京都市中京区新京極桜之町453
(阪急電車・四条河原町下車徒歩5分)
奇縁氷人石(北野天満宮) 京都市上京区馬喰町
(京福電鉄北野線・北野白梅町下車徒歩10分)
(市バス・北野天満宮前下車すぐ)

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