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塩チョコ・「エクチュアからほり『蔵』本店」 ( 大阪市中央区)

推薦人…船場・吉野 料理長・支配人  大山雄市さん

■甘いだけがチョコじゃない ウイスキー片手に至福の時

■「塩と甘みの絶妙な配合、ほんまにええ“塩梅”

 ひとかけら口に含むと「チョコレートは甘い」という固定概念が、打ち砕かれる。

 チョコレート専門店、「エクチュア」(大阪市中央区谷町6丁目)の「塩チョコ」。口溶けのよさを考えて約2~3ミリの薄さにしたビターチョコレートに、白い塩つぶがまぶされたシンプルさが潔い。

 大阪ずしの老舗(しにせ)、船場・吉野●(すし)(大阪市中央区淡路町)の料理長・支配人、大山雄市さん(72)は「男性的なチョコレート」と評する。「塩がかすかな甘みを引き立てて、カカオの苦みを和らげる。互いを引き立たせる塩味と甘みの絶妙の配合はほんまにええ“塩梅”です」

 エクチュアのオーナーである植松秀王(よしお)さん(53)がインスピレーションを得たのは、和菓子。塩チョコは、「ぜんざいに添えられた塩コンブのイメージ」なのだという。

 ベルギー産のチョコレート原料と室戸沖産の海洋深層水から作った塩。シンプルなだけにその配合量と、チョコレートの温度を何度も上げ下げしながら練っていく作業がカギ。これで、エクチュアのロゴが金で転写された表面が鏡のような光沢を帯び、ふわっと溶ける舌触りを生む。仕上げに手でふる塩つぶが、小雪のように舞う。

 「口に含んで、噛まずになめて溶かしてください」と植松さん。カカオの香りとともに控えめな塩の風味が口に広がる。「ウイスキーのおつまみにおすすめ。僕の至福のひとときです」。

 3年前の発売当初は年間1トンの出荷量だったのが、現在は1カ月に1トン出荷する。「塩チョコのパイオニア」と紹介されるゆえんだが、レトロな店のショーケースには生チョコレート「ブリュージュの石畳」やナッツ、オレンジピールを使った多種多様なプラリネ(一粒チョコ)も並ぶ。

 チョコレートの魅力に開眼した植松さんは、繊維問屋の社員から転身、独学で製菓技術を身につけた。「チョコレートは甘ったるい、子供のおやつだけじゃない」と確信し、16年前にエクチュアをオープンした。

 「文化や背景にある歴史も踏まえて大人の楽しみとして味わってほしいです」。今も、その魅力の伝導に余念がない。

                                        ◇

エクチュア からほり『蔵』本店」 地下鉄松屋町駅の3番出口を出て、石段を上がってすぐ。店は、築200年を超える古い民家の蔵を再生した和風レトロな空間で、カフェも併設されている。店名の「エクチュア」は、中南米マヤ文明の人々がカカオの豊作を祈った神さまの名に由来する。塩チョコは50グラム893円。大丸心斎橋店、高島屋大阪店にも常設店舗がある。TEL06・4304・8077

●=差のエを魚に

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