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「常盤蜜」(兵庫県姫路市坂元町) いわを

 

□推薦人 コーヒー店「はまもとコーヒー」浜本康雄さん

 

■「口で砕ける独特の食感とあんの甘さが絶妙」

 

■愛され続ける「姫路の味」

 ゴツゴツとした皮は口に入ると細かく砕け、つぶあんと混ざり合う。見た目は固そうだが、食感と味は繊細な姫路の銘菓だ。

 「知る人ぞ知る姫路の菓子。昔からの愛好者も多く、見ても食べても楽しめる。口で砕ける独特の食感とあんの甘さが絶妙」。兵庫県姫路市のみゆき通りで33年間コーヒー店を営む老舗「はまもとコーヒー」の浜本康雄会長のお薦めが「常盤蜜」(同市坂元町)の焼き菓子「いわを」だ。

 「作り方はいたってシンプル。卵と砂糖、小麦粉を混ぜ、そぼろ状にしたものを、つぶあんにまぶして焼きます」

 こう話すのは、3代目店主の黒田康夫さん(55)。15分ほどすると、まぶしたそぼろがゴツゴツとした岩のような皮になる。ただ、「湿度には細心の注意を払います。そぼろの大きさが変わるんです」という。小豆は北海道の信頼できる農家の物のみを使用。香料や保存料は使わない。

 菓子メーカーの職長をしていた初代の清さん(故人)が戦後に独立し、姫路城南の大通り沿いに店を構えた。小豆一粒一粒を選別していたほど仕事に厳しい主だったという。いわをは、その清さんが「岩が滝しぶきを浴びながら、幾年月も姿を止め堪え忍ぶ姿」を表現しようと試行錯誤して生まれた。

 奇抜な形だが、昭和30年には「全国菓子観光大博覧会」で名誉総裁賞を受賞。36年の同大会では見事、金賞に輝いた。姫路城近くにあったからか、巷では姫路城築城の際に何度も崩れる壁に使われ、その後崩れなくなったという高齢女性の持ってきた石「姥ヶ石」をモデルにしたと思われ、伝説も追い風となり広く “姫路の味”として定着した。

 黒田さんは初代からの味を受け継ぎ、昔ながらの実直な菓子作りに励む。他に例を見ない形と懐かしい味に、地元の人はもちろん、全国から注文が入る。

 そんな銘菓だが、作っているのは家族ら3人だけと小規模。早朝から1日に400個を手作りする。「買われる方からは『子供の時に食べた味と同じ』などの声を頂きます」と話し、「味を守り続け、地元に愛される菓子を作っていきたい」ときっぱり。変わらぬ味は菓子作りの姿勢からもうかがわれる。

                   ◇

常盤蜜 JR姫路駅から徒歩10分。昭和26年に開店し、地方発送も行っている。「いわを」は1個100円。5個入り、10個入りもある。草もちなども人気。営業時間は9縲怩P7時 TEL079・223・5483

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