2008年4月16日
そばとフレンチの絶妙な組み合わせでスパイシーな味わいの「地鶏蕎麦御膳
「日本人の心のふるさと飛鳥で、絶品の手打ちそばを食べる。これほど幸せなひとときはありません」
平成6年、非自民連立政権の羽田孜(つとむ)内閣で建設相を務めた森本晃司さん(66)。16年、さまざまな政争に明け暮れた永田町から身を引き、翌17年から奈良県明日香村で観光ボランティアとして活動する。その中で、観光客らに真っ先に薦めるのが「飛鳥藍染織(あいせんしょく)館・藍邸(らんてい)」だ。
石舞台古墳からしばらく歩くと、江戸時代の風情を残す町家が立ち並ぶ一角に出る。「大好きな飛鳥で第2の人生を」と、国を造る仕事から歴史をたずねるボランティアへとシフトした森本さんは、転身後、さっそく同館を訪ねた。
渡辺誠弥(のぶや)館長(66)は元NHKアナウンサー。奈良放送局を最後に48歳で退職し、同村に移り住んだという、これも異色の経歴の持ち主だ。
「NHKを辞めて、そば屋をやるなんて変わってるね」。森本さんが声をかけると、「大臣から観光ガイドに転職する方がよっぽどですよ」と渡辺さんが絶妙の間合いで返し、一気に意気投合したという。
同館は150年前の造り酒屋を改装して平成7年にオープン。全国の藍染めや土鈴を展示する傍らで、手打ちそばを振る舞う。「昼夜の寒暖の差が大きいほどおいしい」と、北海道・斜里岳のふもとで栽培するそばを、出雲そばで知られる島根の業者に頼んで石臼でひいている。
ざるそばが主流だが、新メニューとして「地鶏蕎麦(そば)」が加わった。奈良の地鶏、大和肉鶏をステーキにして冷たいそばに盛り、ミョウガとネギを添え、黒コショウがピリリと味を引き締める。知人のシェフに相談し、そばとフレンチが絶妙な取り合わせを生んだ。
そば打ちは、渡辺さんが毎朝3時間かけて行うが、50人分がやっとだ。黒コショウも市販ではなく、金づちを使って実を砕く。「力を入れないとつぶれないし、手が筋肉痛になりますよ」と苦笑い。「料理は手間暇をかけるほど味が増す」が身上だ。スタッフの大西孝子さんは、そばに合う季節の野菜を使った炊き合わせで、膳(ぜん)の彩りを豊かにする。
森本さんは、議員仲間だった神崎武法・公明党前代表や、海外の政府関係者らも案内した。「渡辺さんの絶妙な語り口と手打ちそばの味を、多くの人に知ってもらいたい」。飛鳥のグルメスポット案内も楽しみの一つだ。
◇
飛鳥藍染織館 奈良県明日香村岡1223 TEL0744・54・2003 営業時間は10~16時 年末年始を除いて無休 「地鶏蕎麦御膳」は炊き合わせやそばもちとセットで2100円。蕎麦御膳、田楽膳は各1575円。コーヒー、そば茶(いずれも菓子付き)は500円。藍染め体験や土鈴の絵付け(各1000円)も行っている。
(2008年4月16日 21:50)
タグ:そば
Category:食べる人通う店
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