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「菓庵さとや」(堺市堺区)いちご大福

■職人親子が頑固に手作り 旬だけ「イチゴ一会」の味

 

≪推薦人…ダイニングステージ「佐海屋」店主・明石光艶さん≫

 

■「自然の甘みを生かした素朴な味に幸せ気分」

 柔らかなもちを噛むと、新鮮なイチゴの香りが口に広がる。さわやかな酸味を追いかけてくる粒あんの甘みが、果実の風味を引き立てる。「自然の甘みを生かした素朴な味に出合うと、幸せな気分になります」。大阪・ミナミのダイニングステージ「佐海屋」店主、明石光艶(こうえん)さん(48)が愛してやまないのが、堺市堺区の菓庵「さとや」のいちご大福だ。「妥協のない職人の仕事を守っておられる。プロの端くれとして見習わなければいけない」と絶賛する。

 同店は堺で約80年前に創業した老舗で、2代目の佐藤寿昭さん(66)と3代目の悦司さん(43)の職人親子を中心に営んでいる。堺市役所にほど近い住宅街の一角にある店舗は、飾り気のないたたずまい。寿昭さんは「機械を使うと大型店の味と同じになる。手作りの良さにこだわりたい」と力を込める。

 いちご大福は、売り出してから20年ほどになる。「東京でいちご大福が話題になっている」とテレビで見た悦司さんが試しに作ってみると、好評だったのがきっかけという。口コミで評判が広がり、悦司さんは「いつの間にか元祖といわれるようになってしまった」と笑う。巨峰やバナナも試したが、イチゴとの相性が最もよく、名物として定着した。早い時間に売り切れることもあり、「店頭に並んでいればラッキー」(明石さん)。

 近くの青果市場で入荷した旬の素材を使うため、イチゴが市場に出回る11月から5月中旬までの期間限定販売。大粒の旬のイチゴを砂糖控えめの粒あんで包むが、気に入ったイチゴが入荷しなければつくらない。あんこに練乳を練り込んだ「いちごミルク大福」も若い女性に人気だ。

 同店では毎朝、あんを炊き、もちをつき、生地を焼いて和菓子を作る。もちは、もち米を蒸すことから始めるので手間暇がかかる。生菓子には添加物をほとんど使用しないので日持ちはしない。だからこそ、頑固に職人仕事を続ける佐藤さん親子の「できたての本物の和菓子を楽しんでほしい」という思いが伝わってくる。職人のこだわりの逸品との“イチゴ一会”ができる旬も残りわずかだ。
                   ◇

菓庵「さとや」 南海高野線堺東駅から徒歩10分。いちご大福は1個168円で、「5」のつく日は105円にするため前日から予約が相次ぐ。阪神タイガースの昭和60年の日本一を記念して発売した銘菓「とらやき」(1個168円)は堺市優良観光みやげ品に選ばれている。月曜定休。営業時間は10縲怩P9時。TEL072・232・4239。

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