2008年5月 7日
今年の斎王代に選ばれた料亭「菊乃井」若女将・村田紫帆さん
「皿の中に主役は1つ」 旬の食材で"物語"作る
八坂神社(京都市東山区)の南楼門の鳥居を南へ下がった祇園の一等地。料亭が並ぶ落ち着いた雰囲気の中に、この店はある。今年の葵祭のヒロイン、斎王代に選ばれた料亭「菊乃井」(同)の若女将、村田紫帆さん(25)は「旬の食材をおいしく料理してくれて、サービスも行き届いている。祖母の誕生日のお祝いにも家族で利用しました。隠れ家的な雰囲気が落ち着きますね」と話す。
料理長の筒井光彦さん(33)は大阪の人気イタリア料理店「ポンテベッキオ」で約8年間料理長をつとめた人気シェフ。独立するなら京都、と決めていたという。「歴史が息づいていて、街自体に『お客さんに来てもらおう』という精神が感じられるから」。オープンは昨年6月とまだ日が浅いが、口コミであっという間に人気が広まった。
筒井さんが大事にしている原則は「皿のなかに主役は1つ」。「その時一番の食材の良さを引き出すにはどうすればいいのか。どんな脇役を添えればよいか。余分なものは要らないし、吟味して選び抜きます」と話す。
そのポリシーは店の内装にも貫かれている。1階はグランドピアノの置かれたウェイティングスペースと個室。テーブルが並ぶ2階は窓を大きく取り、今はモミジの緑が美しい。天井が高く開放感のある空間には絵や花などの飾りが一切なく、簡素な美しさが料理を引き立てる。
「厨房(ちゅうぼう)を2階に作ることが決まっていたので、お客さんの反応を見ながら調理し、できたてをすぐに出せるよう、メーンの客席も2階に配置するようにしたんです」
店のメニューはコースのみ。旬の食材を使ったストーリー仕立ての料理の中で「前菜とメーンでヤマ場を2回作るように意識している」という。
「新しい店ですから、秘伝のたれや伝統の味があるわけじゃない。『あぁ、この味だ』という感覚と同時に、味や盛りつけに毎回新鮮な驚きがあることが大事。店にこれで完成というのはないんです。常に未完成だからこそ、次が見えてくると思っています」
旬のアスパラガスをぜいたくに使った一品をほうばると、シェフの前向きなエネルギーが伝わってきた。
◇
リストランテ キメラ 京都市東山区祇園町南側504 TEL075・525・4466 営業時間はランチタイムが12~14時(ラストオーダー)、ディナータイムが18~21時(同) 水曜日定休 昼のコースは4000円(税・サービス料別)から、夜のコースは1万円(税・サ料別)から
(2008年5月 7日 17:11)
Category:食べる人通う店
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