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「うなぎ丼」 菱東 vs 山信

老舗の味...菱東 / 熟成タレが脂とご飯にマッチ

 昔ながらの町家が軒を連ねる福島の路地に、鰻を焼く香ばしい匂いが道しるべとなる鰻屋がある。2代目、3代目の桂春團治も通った大正10年創業の老舗。風情ある長屋の風景が、いきなりおいしい気分にさせてくれる。

 「東京流」と看板に書かれる通り鰻は背開きの江戸前風だが、創業以来追いたしで守り続けられるタレは、甘め強めの味を意識した関西風。ふっくらと蒸し上げられた鰻は、はしですっと切れる柔らかさ。かすかに酸味を感じる熟成タレが、鰻の脂とご飯によく合ってなんともマイルドな味わいがたまらない。

 脂がよくのった分厚い身の部分から香ばしい尻尾までリズミカルに味を変える鰻は、昔からの卸より入荷、その時期に一番よい状態の産地のものを使っている。お重に入ったうなぎ丼は並が鰻1匹分でご飯もたっぷり。だしとサンショの香りが効いた肝吸いなどが付く。

 できるなら、うまきやうざくも合わせて、ビールでも飲みながらゆっくりとやりたい。昼の接待にも喜ばれそうだ。

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菱東 大阪市福島区福島5の7の9 TEL06・6451・5094 営業時間11~13時半 17~20時 日・祝日休み 1階はテーブル席と小上がりの座敷、2階は座敷で夜はコースのみ 禁煙席なし うなぎ丼は並(シングル)1800円、上(セミダブル)2400円、特上(ダブル)3000円(すべて肝吸い・漬物付き)、うまき1000円。

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平成の逸品...山信 / 震災被災者元気づけた愛情丼

 浜松や豊橋から届いた鰻を、酒造りにも適したミネラル豊富な井戸水で元気にさせてから、白焼き→蒸しの関東風で焼き上げたふわりとろりの絶妙な鰻丼が並600円(写真は特丼1000円)。迫力のある蒲焼きに乗る串は肝焼き。これがまた香ばしくて美味だ。

 食べ応えのある鰻丼にはたっぷりの味噌汁もつき、卓上には自由に取れる漬物が置いてある。注文をてきぱきと受けるお母さんはじめ、何もかもに「鰻をおいしく食べてほしい」という愛情が感じられ、心にもじんわりと元気をくれる。

 創業40余年の蒲焼き卸だが、鰻丼を出すようになったのは平成7年の阪神大震災がきっかけ。店主の岡田英信、照美夫妻が励ましの気持ちでふるまった鰻丼が評判を呼び、周囲からの要望で客席を設けた。駅から離れた立地から、遠方より訪れる客に配慮して、年中無休でのれんをかけることにしたという。

 一軒家を改装した店舗で、奥の厨房(ちゅうぼう)からは香ばしい匂いが漂う。はためくのれんまで味わい深い。

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山信 神戸市灘区大石南町1の4の7 TEL078・881・3039 営業時間11~18時 無休 テーブル席2つとカウンター5席ほど 禁煙席なし 上丼800円、特丼1000円、蒲焼き100グラム650円(1匹1200円前後) 持ち帰りもできる。

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