2008年5月28日
兵庫県弁護士会元副会長 春名一典さん - 「老松道場 とり新」
■「あの作家」も通う名店 素材本来の味にこだわり
「阪急伊丹駅近くの焼鳥屋」。作家の田辺聖子さんや宮本輝さんの作品に、こう描かれる焼鳥屋「老松道場 とり新」は、小説やエッセーのファンの間で、その名を知られた店だ。
兵庫県伊丹市内に事務所を構える同県弁護士会元副会長の春名一典弁護士(53)は「鶏肉だけでなく、カモやウズラなど焼き物の種類も豊富でおいしい。いつも食べたくなる味」と絶賛する。
店は駅を降りてすぐ。赤ちょうちんに誘われて、いつも多くの客でにぎわう。開店は昭和51年、店の歴史は30年を超えた。
店主の的場喜久子さん(62)によると、田辺さんは開店以来の常連。かつては、田辺さんのエッセーに「カモカのおっちゃん」として登場する夫の川野純夫さん(故人)と2人でよく訪れていた。川野さんが脳梗塞(こうそく)で倒れたあとも、川野さんの車いすを田辺さんが押して来店したという。
とり新の料理のこだわりは、宮崎県都城市産の地鶏をはじめ素材にある。「実は私、鶏肉嫌いですねん」と的場さん。しかし、鶏肉嫌いだからこそ、本当においしいものが分かる。「鶏肉嫌いの私が食べられる肉やったら、誰が食べてもおいしいはず」。肉本来の味を楽しんでもらおうと、テーブルに薬味などは置いていない。
メニューには、鶏肉以外にもカモやシャモ、ウズラといった変わり種も。人気の「鴨味噌(かもみそ)」は味噌に漬けたカモ肉を焼いた一品で、しっかりとしたカモの味に味噌の香ばしさがマッチする。スープも絶品。鳥肉と牛テールがベースでコクがあり、何杯でも飲みたくなる。春名さんは「肉だけでなく、旬の野菜の焼き物もあってそれもおいしい」と話す。
店名にある「老松」は同市内にある酒造会社のこと。経営者と知り合いだったことから、同社の酒を置いている。中には、オリジナル銘柄「とり新」も。その名前を考えたのは田辺さん。「命名をお願いしたけど、忙しくて2年くらい待ったかな。やっと持ってきてくれた色紙にあったのが『とり新』。店名そのままでしたわ」と、的場さんは笑う。
「1日をここで締めてよかったと思われる店でありたい」。料理と酒、そして客をもてなす心。店内には、いつもくつろいだ雰囲気が漂っている。
◇
老松道場 とり新 兵庫県伊丹市中央4の1の3 TEL072・772・6635 営業時間は17時半~0時 木曜定休 つくね、ズリ、トリカワ、トリネギ各1串130円、鴨味噌900円、お酒(とり新)800円
(2008年5月28日 16:51)
タグ:焼鳥
Category:食べる人通う店
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