産経関西

[経済] 2008年7月 2日

家庭用燃料電池 松下、量産スタート 売上高1000億円規模に育成

 松下電器産業は、水素と酸素を化学反応させて発電する家庭用燃料電池の普及に本腰を入れる。松下の家電部門「松下ホームアプライアンス社」(滋賀県草津市)は1日、来年から一般販売を目指す最新機種を初出荷、量産化をスタートさせた。平成27年には売り上げ1000億円以上の事業へと育てる方針。原油高や環境意識の高まりで新エネルギーの開発競争が激化するなか、いち早く量産態勢を整え、この分野での主導権の確立を狙う。

 草津工場で行われた出荷式で、松下の大坪文雄社長は「燃料電池を最重要事業と位置づけ、重点的に経営資源を投入していきたい」とあいさつ。今年から27年度までの7年間で200億円を投資し、27年度に20万台の販売を目指す。

 また、大坪社長は欧州、中国、北米でも販売を始めることを明らかにし、「重要事業は1000億円の販売規模が条件だが、もっと大きな事業となる」と述べた。1000億円は、DVDレコーダーや冷蔵庫と同規模の売上額だ。

 松下の燃料電池開発事業は平成11年にスタート、東京ガスと共同で開発を進めてきた。この日出荷された量産化第1号となる新製品は、ピーク時の発電効率が39%と世界最高水準。一般家庭でよく使われる500ワット~1キロワットの範囲内でも38%以上を保ち、耐久年数も10年以上を確保。課題だった発電効率や耐久性をクリアし、「市場投入できるシステムになった」という。

 燃料電池が普及するための課題は、1台数百万円とされる価格だ。来年発売時の価格は未定としたものの、20万台態勢を目指す27年度には「60万円を達成したい」(榎坂純二・松下ホームアプライアンス社社長)という。

 価格引き下げに向け、販路の確保と、原料となる水素の供給を受けるため、東京ガスなど都市ガス各社と業務提携も視野に入れている。
 

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