産経関西

[関西人国記] 2008年8月29日

クラスターテクノロジー社長 安達稔さん(63) (5)やりがい求めて

東大阪を先端技術の集積地に

 「日々新たに社会に役立つ/技術・人格を研鑽(けんさん)/創意工夫で製造/誠意・配慮で接客/感謝・実行で感動」

 わが社の社是です。

 ちょっと自慢したいのは「感動」のくだり。創意工夫をしている会社は多いでしょうが、感動を実現できる会社はそれほどない。その点、当社は感動を実感できると胸を張って言えます。

 ぼくが1人で始めた事業ですが、今では社員が50人を超え、有名大学の大学院修了者が何人も就職してくれています。彼らは多分、感動ややりがいを求めて来てくれるのだと思います。若い人でも抜擢(ばってき)し、チャンスをどんどん与えて、彼らのヤル気に応えたい。それが大手にはない中小企業のよさです。

 こうして若い人が中小企業や東大阪に興味を持ってくれるのも、東大阪産人工衛星「まいど1号」プロジェクトが「ものづくり」の魅力を伝えたからやないでしょうか。

 関西の景気が沈み、東大阪もどん底だった平成12年、「おもしろい人がおる」と紹介されたのがプロジェクトの仕掛け人、航空機部品製造のアオキの青木豊彦社長たち。人工衛星をシンボルに東大阪を活気づけよう、人を集めようという考えに賛同して一緒に活動を進め、独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の補助事業の採択まで協力しました。

 宇宙開発協同組合を発足させたこの活動は、東大阪の知名度を全国的に高めました。ナノテクノロジー(超微細加工技術)でも同じような企業連合で、技術をさらに磨いていきたいと思っています。

 というのも、ナノテクはどんどん発展、多様化していて、大企業がまだ対応できていない分野がたくさんある。そこに、中小企業の商機があるんですよ。東大阪、関西がナノテク企業の最先端技術の集積地になるよう、大学と組んで研究活動を進めるほか、東大阪の「ナノテクプラットフォーム」作りの役割を担い、研究開発や事業化で活性化させたい。

 いま気付けば、おやじがそうだったように、ぼくも朝から晩まで仕事中心の生活です。創業時に大借金を背負い、家族、特に妻には迷惑かけたなと反省することも。もうちょっと年を取ったら、いっしょにのんびり世界を旅でもと思っているのですが、妻には「社員や株主の方は現状で喜んではるの? あなただけが感動しててはアカンのやで」と、叱咤(しった)激励されています。旅はまだもう少しお預けになりそうですね。=おわり

(聞き手 山田桂子)

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