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(2)「1人1業種」堅持を 模範となる道探る

 「職業人の模範になるためにはどうすればいいか」。ロータリークラブで絶えず問われているテーマである。

  大阪府南部と和歌山県内74クラブの集合体「第2640地区」。昭和61年と平成16年にそれぞれ1年間、代表者(ガバナー)を務め、地区内で「オピニオ ンリーダー」と呼ばれる中島治一郎さん(73)。彼が提唱するのがロータリー発足当初の基準「1人1業種」の堅持だ。週に1度の例会などを通じて人間修養 の強化も求めている。

 ■業界代表の意識

  ロータリーの歴史は古い。1905年、米シカゴの弁護士、ポール・ハリスが友人の石炭商や鉱山技師、洋服生地商の計4人で結成したことに始まる。創設当時 のメンバーの職種が異なっていたのは、お互いのビジネスをクラブ内で伸ばす狙いがあったのと、同業者同士がクラブ内で競争することを避けるためだった。こ こから、職業構成「1人1業種」が決められた。

 ところが「クラブを大きくしたい」という各地の要望が時代とともに出て、2001年以降、「同一業種5人まで」が認められるようになった。

 ロータリークラブの手引書を読みながら「原点に返らなければ」と語る中島治一郎さん

  中島さんは緩和措置を「発足当初の原則に戻すべきだ」と主張しているのだ。「1人1業種は責任感を持つことにつながります。私は今、第一線を退いています が、以前は紡績関係の仕事をしていました。ロータリアン(会員)として活動しているうちに、『自分は紡績業界の代表としてクラブに所属している。後ろ指を 差されることはできない』との自覚が芽生えました。ここに職業倫理の原点があります」 

 ■ドイツでは成功 

 中島さんによると、ドイツでは1人1業種を堅持している。クラブ員は業界の代表としての誇りを持って活動し、クラブ外の人から尊敬されているという。 

  だが、代表としての意識は、自らを「選ばれし者」としてとらえる傲慢(ごうまん)な態度に結びつくことも考えられる。「確かにあしきエリート主義を生む危 険性はあります。だからこそ、クラブ内での人間修養が不可欠なのです。日々の反省や感動を語り合い、精神性を高める。これこそがロータリーの目的ですか ら」

 秘策があるわけではない。発足当初の基本に立ち返る愚直さこそが、ロータリーが模範となる方策のようだ。

 【用語解説】発足当初の米シカゴ ロータリークラブが発足した1905年当時の米国は資本主義の勃興(ぼっこう)期。それが行き過ぎた利潤追求につながり、特にシカゴなどの都市部では「バレなければ何をしても許される風潮がはびこった」(中島さん)。

  ロータリーの創設者、ハリスは「本当に信頼できる友人がほしい」とかねがね思っており、これがロータリー創設の背景にある。クラブの会合は会員の事務所を順番に使用していたため、名称は「回転する」=「ロータリー(rotary)」となった。

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