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(3)来日留学生の支援 奨学金は毎月、手渡し

 さまざまな奉仕活動を行うロータリークラブ。海外からの留学生の支援も、重要な活動の一つだ。 

 「第 2640地区」を構成する和泉ロータリークラブ(大阪府和泉市)の毎週1度の例会。10月1日の会合には、外国人が出席していた。大阪府立大大学院で言語 文化学を学ぶ中国からの留学生、鄒(すう)善軍さん(38)だ。鄒さんは平成14年に来日し、日本のロータリークラブが独自に運営する米山記念奨学会から 奨学金を受けている。 

和泉ロータリークラブの例会に出席し奨学金を手渡される中国からの留学生、鄒善軍さん(右)=和泉市

  米山記念奨学会は通常の奨学金支給団体とかなり様相が異なる。まず、既存のクラブが留学生の相談役の「世話クラブ」となり、学生はそのクラブの指導者的な 立場の人に相談役になってもらう。また月に1度、世話クラブの例会に出なければならず、奨学金は例会で手渡される。第2640地区では、独自に行っている 高校生との交流会など、奉仕活動への参加も勧めている。 

 世話クラブの中でも、和泉ロータリークラブは学生の担当教授と勉強の進み具合などで連絡を取り合うので、おちおち遊んではいられない。 

 ■触れ合いの場に 

  鄒さんは自分の世話クラブの例会に出ていたのだ。「月額14万円の奨学金はほかの組織に比べて多く、返済義務がないのも魅力」と鄒さん。だが、例会への出 席義務がある。「僕はむしろこの方式を喜んでいます。多くの日本人と触れ合う絶好の機会ですから。それに口座振り込みですと味気ないと思います」 

  奨学金を得る試験はかなり難しい。指定校制度があり、そこの教授から推薦を受けなければならない。推薦を受けると、書類選考や面接、小論文がある。これら は当然、日本語で行われる。第2640地区では、昨年から電話での応答試問を加えた。奨学生希望者に前触れもなく電話をかけ、今後の抱負などを聞くのだ。 

 ■音信不通は不可 

  第2640地区で米山記念奨学委員会カウンセラーを務める前窪貫志さん(73)は「突然の電話で、その人の日本語力が判断できます」と、その効用を説明す る。同委員長の米田眞理子さん(59)は、こう付け加えた。「米山記念奨学会では学生とクラブの緊密な結びつきを重視しますので、音信不通は困ります。突 然の電話は奨学生になってからも、さらに卒業してからも、私たちと連絡が取れるかどうかを見る試金石なのです」

 ロータリアン(会員)になるのは資格面などで難しいといわれるが、「ロータリーの奨学生になるのはもっと難しい」と評される。この難関を突破した人材だからこそ、日本と母国の懸け橋と成り得るのかもしれない。

 【用語解説】米山記念奨学会  大正9年に日本でロータリークラブを創設した米山梅吉の遺徳をしのび、来日留学生を支援するために昭和27年に発足。主な奨学金は4年制大学の3縲怩S年生 が月額10万円、大学院生が同14万円。全ロータリアンや外部の賛同者からの寄付金が原資で、事業費は14億円(平成19年度決算)と、民間では最大級。 

 奨学金のこれまでの受給者は約1万4500人。主な受給者として、著書「和解のために」で昨年の大佛次郎論壇賞を受賞した韓国の世宗大教授、朴裕河氏らがいる。

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