産経関西(産経新聞大阪本社公式ニュースサイト)

光世証券社長 巽大介さん - 「梅市」

 ひとつとして同じ料理なし 足さず引かず「生成り」の味

 大阪・東心斎橋の日本料理「梅市」は、光世証券(大阪市中央区)社長の巽大介さん(44)が、先代である父、故・吾朗さんの時代から2代にわたり、ほれ込んだ店。大学生のころ、父に連れられてのれんをくぐり、今でもふらりと立ち寄る。

 お決まりのメニューなどない。「少なめで」「たくさん」などと腹の膨れ具合を伝えると、一品一品を丁寧に出してくれる。初めて店を訪れてから、もう25年近くたつが「一度たりとも同じものを食べたことがない」と巽さんは話す。

 梅市を営む奥田高光さん(59)は18歳で日本料理の道に入り、いくつかの店で腕を磨いた後、昭和53年に大阪・三ツ寺筋で店を構えた。その後、昭和62年に現在の東心斎橋へ移転した。

 客に同じ料理を出さないのは、素材の特徴や変化、客の好みを十分に考えているから。走り、旬、名残では、味や食感が変わる。

 旬はその素材が最高の持ち味を発揮するのに対し、走りや名残は、味は旬に及ばないものの、訪れ、去り行く季節を感じさせてくれる。その変化に合わせ、料理の仕方も変えている。

 初めての客には会話からどんなものが好みかを聞き、食べる姿からも好みを探ることで、料理を変えていくという。だから、一つたりとも同じものは出ない。

 だが意外にも、素材の産地に対するこだわりはないという。ただ、自分で食べてみて納得しなければ使わない。「果物の味がする野菜などが重宝がられているが、トマトはトマト、きゅうりはきゅうりの味がしていればいい」と奥田さん。

 松茸(まつたけ)なら香りと食感を生かすように、素材の特徴を殺さず、引き立てる。飾らず余計な足し引きをしない「生成(きな)り料理」が、梅市の味だ。

 そんななかでも巽さんの舌をうならすのは、昆布(こんぶ)とかつお節でとっただしのうまさが表れる椀(わん)物。「刺し身は素材さえ良ければそこそこうまくなるが、椀はごまかしがきかない」と巽さんは話す。

 広い厨房(ちゅうぼう)が一望できるカウンターに出される料理を、巽さんは素早く食べるという。

 「一番うまい状態で出してくれた真剣勝負の一品。それを損なわずに食べるのが、料理人への礼儀」と巽さん。

 それぞれの季節に姿を現した素材が一つの皿の中で出会い、それを一番良い間合いで出会った客が口に運ぶ。料理とは、まさに出会いであることを、この店は教えてくれる。(田村慶子)

梅市 大阪市中央区東心斎橋1丁目6の3ハイツ千年町2階 TEL06・6243・9126 営業時間は17~21時(日曜・祝日定休)。おまかせコース1万5000円から。

前の記事:ラジオ大阪アナウンサー 原田年晴さん - 「そむりえ亭」 »

後の記事:北京五輪競泳女子バタフライ代表 中西悠子さん-「ピッツェリア ぷちローザ」 »

ホーム

PR 特選情報

アテックス-バナー

フォトニュース

北新地えびす詣招福行列 8・8ミリの奥行きを実現したプラズマ・ディスプレー・パネル=大阪府茨木市のパナソニック茨城工場 遺族代表として追悼の言葉を述べる田中千春さん
通行人に福鈴を振り、福笹を授与する福娘たち=大阪市北区 視閲する縄田大阪府警本部長=大阪市中央区の大阪城公園(鳥越瑞絵撮影) 「撮影者:ちか / 撮影場所:大阪府枚方市 / 撮影日時:2007年7月」
井村仁香さん DGR00044G090108D.jpg DMS00011G090108D.jpg