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(5)ポリオ絶滅の灯を消すな! ゲイツ財団とスクラム

 小児まひの原因となるポリオウイルス。ロータリークラブは他の奉仕団体に先駆けて、ポリオ絶滅に向け世界保健機関(WHO)などに寄付を続けている。

 ■インドに出向く

 ロータリーの世界組織「国際ロータリー」がポリオ撲滅運動に乗り出したのは1979年。フィリピンのロータリアン(会員)が、国際ロータリーに「ポリオ免疫接種事業」を行ってくれるよう書簡を出したのが発端だった。

  日本でも、大阪府南部と和歌山県のロータリークラブの集合体「第2640地区」を含め多くのクラブが募金活動を展開。全世界のロータリーでこれまでに、約 7億ドル(現在の為替で約690億円)の浄財を集め、WHOなどに寄付した。2640地区では2000年、ロータリアンとその賛同者73人がインド・ムン バイのスラム街に出向き、予防ワクチンを投与したこともある。

 ■これからが正念場

2000年1月、インド・ムンバイで、ワクチン投与を行う第2640地区のメンバーら(第2640地区提供)

 こうした活動が実り、運動当初に世界で50万人以上いるといわれた発病者は減少の一途をたどる。WHOの調べでは、現在は1000人にまで減り、発症国もインド、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの4カ国になったという。 

 絶滅まで、もう一歩のところまで来たポリオ。だが、2640地区でポリオ撲滅運動のリーダーを務める小島哲さん(74)は「むしろこれからが大変。一層のお金と忍耐が必要です」と指摘する。 

  「金銭面ではワクチンは1人分60セント(約60円)ですから大した額ではありませんが、輸送費などにお金がかかるからです」と小島さん。これまでは交通 の便の良い都市部で大勢の人に効率よく投与できた。だが、今後は山間部に入り、集落を回らなくてはならない。しかも、ワクチン投与は少なくとも年に2回は 必要。投与相手が印パ国境などの遊牧民だと再会できる機会が少なく、きめ細かいフォローが欠かせない。

 アフガンなど民族紛争地域となると各部族を説得しなければならず、気の遠くなるような交渉が必要になる。もちろん、これらすべてをロータリアンが行うのではないにせよ、今まで以上の努力が求められる。

 だが悲観的な状況ばかりではない。世界有数の富豪、ビル・ゲイツ氏の財団が昨年、ロータリーの対ポリオ運動に1億ドルを提供することを表明した。この際の取り決めでロータリー側も2010年末までに同額の1億ドルを集めなければならない。

 「私たちはこれまで寄付金目標額を設定し、それを上回る結果を残してきました。今回もやり遂げます」。小島さんの顔に決意がみなぎった。

 【用語解説】ポリオウイルス 急性灰白髄炎(小児まひ)を起こすウイルス。感染すると数日間は風邪のような症状を呈し、その後、足や腕がまひして動かなくなり、死亡するケースもある。ワクチン投与はスポイトでのどに数滴垂らす比較的簡単な作業。

  ロータリークラブではポリオ絶滅とともに、はしかやジフテリアなど5種の疾病の根絶も目指し、「ポリオ・プラス」と表現することもある。寄付の実務を扱うのは、ロータリー財団という組織。

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