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TOB価格140円前後? パナソニックの三洋買収

 パナソニックによる三洋電機の買収が正式に決まったことで、今後、焦点になるのがパナソニックが設定するTOB(株式公開買い付け)価格。パナソニックは三洋の資産査定をした上で、年内にも価格を決定する。証券アナリストの間では三洋の事業価値を「1株あたり約100円」と算出した上で、TOB価格は「最大40%のプレミアムで140円」と分析する声がでている。

 今回のTOBが通常のケースと異なるのが、三洋の大株主の三井住友銀行、大和証券SMBC、米ゴールドマン・サックス(GS)グループの3社が保有する大量の優先株の存在。

 その株数は約4億2800万株で、1株を普通株10株に転換できる。転換すれば、三洋の発行済み普通株式数は約18億7000万株から約61億株と約3倍に増加する。理論上、既存株主への配当は3分の1以下になるなど、株式価値が希薄化する。

 大株主の3社だけでなく、一般株主にも不公平感を与えない形でTOBを実施するにはどうすればいいか。複数の方法が浮上する中、「最も公平性が高い」(金融会社幹部)と有力視されているのが、大株主3社が優先株を普通株に転換した上で、パナソニックが一般株主の普通株と合わせてすべての株式を買い付ける手法だ。

 ここでポイントになるのがTOB価格。価格が高くなればなるほどパナソニックの買収金額は膨らむ。

 外資系金融グループのクレディ・スイスは、三洋電機の事業価値を平成21年3月期のEBITDA(税引前利益に特別損益、支払利息などを加算した値)や将来価値などに基づいて1株あたり約100円と算出する。

 田端航也リサーチアナリストは「小型二次電池や太陽電池事業といったメリットを加味すると、最大40%のプレミアムも考えられる」と予測する。

 パナソニックは過去のM&A(企業の合併・買収)案件で、20%程度のプレミアムを付けたケースが多く、TOB価格は1株あたり120~140円の間が妥当な線になるが、最近の株価(7日終値203円)を考慮すれば140~200円が軸になる可能性もある。

 全株を取得すると仮定した場合の買収金額は、TOB価格120円だと約7300億円、140円なら約8500億円に膨らむ。

 そのため、「リチウムイオン電池の収益性低下や半導体、白物家電の赤字拡大といった今後のリスクを考えると、高い買い物になる可能性がある」(中堅証券会社アナリスト)との指摘もでている。

 買収金額を抑えるために、優先株だけを対象にTOBを実施する手法もある。ただ、金融商品取引法の規定で、買い付け後の株式の所有割合が3分の2以上になる場合は、全株を対象に買い付ける義務が生じることから、取得株数を3分の2未満に抑える必要がある。

 そうすれば全株取得の場合と比べて買収金額は安く済む。しかし、今度はTOBに参加する機会が与えられない一般株主の反発を招く恐れもあり、今後の経営面での火種をかかえることにもなりかねない。

 また、優先株と普通株を分けて異なる価格で買い付ける手法もあるが、この場合も、価格の違いを明確に株主に説明するのが難しいという課題がある。
 

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