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ウイスキー巻き返し作戦 サントリーが攻勢

 ビールや焼酎に押され存在感が薄らいでいるウイスキーの人気を取り戻そうと、サントリーが新たな需要の掘り起こしに力を入れている。飲みやすいソーダ割りの「ハイボール」の普及を図り、女性をターゲットにした戦略も打ち出すなど、あの手この手で巻き返し作戦を展開。国産初のウイスキーを世に送り出したメーカーの威信にかけて、「ウイスキー復権」に躍起だ。(藤原章裕)

 「和食には意外とウイスキーが合うんですよ」

 大阪市北区のホテルで過日、サントリーが大阪市内の飲食店経営者らを対象に開催したセミナー。和食の鉄人として知られる中村孝明氏が、会場を埋めた約160人の参加者に熱く語りかけた。

 食事をしながら楽しむビールや焼酎などと違って、バーなどで飲むことだけを楽しむイメージが強いウイスキー。この日のセミナーでは、同社の高級シングルモルトウイスキー「山崎」とともに、さまざまな和食を楽しんでもらい、食との相性のよさをアピールした。

 同社はここ最近、ウイスキーをテーマにしたセミナーを全国各地で開催しているが、背景には消費者のウイスキー離れがある。

 国税庁によると、ウイスキーの出荷量にあたる課税数量は、最盛期の昭和58年には年間38万3000キロリットルに達したが、以降は減少に転じ、平成19年には7万5000キロリットルと最盛期の5分の1にも満たない状況だ。

 サントリーのウイスキーを含む洋酒部門の売上高もピーク時の昭和58年度には約6000億円と同社の全売上高(単体)の7割を占めた。しかし、19年度は6分の1の約1100億円に減少、全売上高に占める割合はわずか13%と低迷している。

 「ウイスキーはわが社の精神的支柱。焼酎の伸びが一段落した今こそ、勝機が見えてくる」

 サントリーの水谷徹ウイスキー部長は、ウイスキー復権に注力する。

 需要掘り起こしのため、初心者向けの飲み方として浸透を図っているのが「ハイボール」。ウイスキーはソーダ割りにすると、口当たりが柔らかく食事との相性も格段に高まり、「ハイボールで、ウイスキーのイメージを変えたい」(水谷部長)という。

 さらに同社はウイスキー市場の男女比率に着目。現在は「4対1」で男性の割合が高いが、これからは「女性がムーブメントをつくる時代」(同)。女性をターゲットにしたセミナーも多彩に繰り広げ、シングルモルトとチョコレートの相性を紹介するセミナーには定員60人に9倍近くの応募があるなど、大盛況だ。

 こうした取り組みが功を奏してか、今年1~9月の「山崎」の売上高は前年比10%増を記録するなど、反転攻勢の兆しも見え始めている。

 水谷部長は「ウイスキーをもう一度、キラキラと光り輝く存在にしたい」と力を込める。

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