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飛行船運航 膨らむ期待 堺市が離着陸場整備を検討

 堺市が世界最大の飛行船の離着陸場を整備する計画を進めていることが10日、分かった。実現すれば、自治体が整備する飛行船離着陸場としてははじめて。堺市は災害時の空中調査や観光での活用を予定。「将来、全国を飛行船でめぐるクルーズの拠点にも…」と期待をふくらませている。場所は、現在シャープが世界最大の液晶パネル工場を建設している大阪湾岸の埋め立て地周辺で調整中で、平成21年度の予算案に整備費用を盛り込む。

 整備後に、離着陸する予定の飛行船は日本飛行船(東京都中央区)が所有する世界最大の独製飛行船「ツェッペリンNT」(全長約75メートル、幅19・7メートル、高さ17・5メートル)。同社は全国各地で飛行船を活用してもらうため、離着陸場の整備を呼びかける研究会を実施しており、横浜市や茨城県土浦市、鹿児島市などの自治体が参加。堺市は関西の自治体から唯一、この研究会に参加している。

 市の計画では、大阪湾岸地域の埋め立て地に4万平方メートルを確保し、飛行船が飛ばない日はグラウンドや公園として使用する予定。航空機と飛行高度が違うため、航空法上の問題もなく、管制塔などの設備も必要ないため、公園整備する場合と予算もそれほど変わらないという。

 離着陸する予定のツェッペリンNTは19年3月に起きた石川県の能登半島地震や同7月の新潟県中越沖地震で被災自治体の要望を受け災害現場でも活躍した経緯がある。寸断された道路、活断層の位置など被災状況を把握するため計測機器を積んで災害現場を調査飛行。行政担当者や航空写真家、土木技術者らが乗船し、上空で復興支援対策を協議する「空の会議室」となった。堺市が離着陸場に予定している埋め立て地は、「堺泉北港広域防災拠点」の建設が進んでおり、緊急食糧を貯蔵する大規模倉庫や自衛隊部隊のキャンプ施設などと飛行船運航を連携する構想もあるという。

 飛行船の離着陸場は、現在ほとんどない。これまで観光クルーズなどの飛行では飛行船を所有する会社などが、そのつど自治体の許可を得て臨時に空き地や広場に離着陸させていたという。しかし、飛行船の観光クルーズは需要があり、堺市はこの点にも注目したという。

 すでに、今年5月には、同市堺区のシャープ工場建設予定地を発着地にしてツェッペリンNTの乗船会を開催した。堺市の木原敬介市長らが体験乗船。同乗した市担当者は「垂直離着陸が可能で、静かな乗り心地。安全性も高く、周辺住民や事業所の理解も得やすいだろう」と期待する。
 

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