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(6)地道に取り組む水問題 小人数での"顔見える"支援

 「20世紀は油をめぐって戦争が起きた。21世紀は水の争奪で戦争が起きるだろう」。世界銀行の副総裁だった人物の警告である。世界各地の水不足に国連が本腰を入れるなか、ロータリークラブも途上国を中心に水槽タンク建設などを支援している。

 ■結果を視察

  「昨年5月にインドネシア・バリ島に行きました。中心部のデンパサール空港から約4時間かけてバスと四輪駆動車を乗り継ぎ、やっと到着できる山村でし た」。こう語るのは、大阪府南部と和歌山県内のロータリーの集合体「第2640地区」で、ガバナー(代表者)を務めたことがある成川守彦さん(67)だ。

  第2640地区に所属する新宮、田辺など和歌山県内の5クラブは一昨年、水道のないバリ島の山間部などに雨水を活用した水槽タンクの建設費として約110 万円を寄付した。成川さんの訪問は水槽タンクの完成に合わせ、タンクがどのように村民に使われているかの視察が目的だった。

2007年5月、インドネシア・バリ島で、寄付金により建設された水槽タンクの様子を見る新宮ロータリークラブのメンバーら(第2640地区提供)

 「工事は地元の業者に依頼したので、村民のニーズに応えられるタンクになっていました。使い勝手が良いようで、みんなから感謝され、私どもも達成感でいっぱいです」。視察の成果に対し、成川さんは目を細めた。

 ■連携プレーも

  ロータリーの社会奉仕では、「ポリオ撲滅運動」のように全世界のロータリアン(会員)が一体となって1つの支援事業を展開するケースと、クラブ単体、もし くはいくつかのクラブが集まり、比較的小規模な人数で支援する事業がある。水槽タンク建設の支援は第2640地区の5クラブの連携プレーにより繰り広げた 事業で、支援プロジェクトの完成を見届けるための視察を行ったのも特色だ。

 第2640地区で水槽タンク建設 を含めた水問題などの支援を担当するのは世界社会奉仕委員長、中野一郎さん(48)。「全世界のロータリーを対象にする場合とクラブ単位の奉仕とも、それ ぞれに良さがあります。クラブ単位の行動では支援する側もされる側も、お互いの顔が見えるのがメリットです」と中野さん。

  さらに、中野さんは「水の争奪で国家間の争いも指摘されますが、今こそ民間レベルの協調が求められるのではないでしょうか。小人数による奉仕には限界があ りますが、地道な活動を続ける精神は次代に受け継ぎたい」と強調。これが、第2640地区の各クラブに息づく奉仕の原点なのだろう。

 【用語解説】水不足問題 国連の調査報告によると、世界の人口の5分の1にあたる約13億人が安全な水を利用できていない。さらに、その2倍以上の30億人が利用する水道施設で衛生問題を抱えており、途上国の子供を中心に8秒に1人が死亡していると指摘している。

 第2640地区では、水不足対策として所属クラブに寄せられた寄付金と同額の金額を第2640地区からも拠出する方式を採用している

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