産経関西(産経新聞大阪本社公式ニュースサイト)

(8)高校生の交換留学 国際貢献に直結する組織へ

 国際的な貢献ができる人材の育成にも力を入れるロータリークラブ。外国のクラブと連携し、高校生の海外交換留学制度を導入している。制度は「青少年交換プログラム」と名付けられている。

 ■安心できる滞在先

日本の高校で英語の授業を受けるスウェーデン出身のオエブロさん=大阪府河内長野市の府立長野高校

  「今から自分の考えを英語で話してください」。大阪府河内長野市にある府立長野高校1年の英語の授業。先生の説明を聞き、生徒はつっかえながらも英語でス ピーチを始めた。その中に外国人女性も交じっている。今年8月にスウェーデンから来たジャスミン・オエブロさん(17)だ。 

 オエブロさんは日本の漫画の大ファン。漫画文化を生んだ日本で高校生活を送りたいと考え、多くの留学斡旋(あっせん)機関を調べたが、ほとんどが満足のいく制度ではなかった。

  ようやく見つけたのが、スウェーデンのロータリークラブが募集していた青少年交換プログラム。本人負担額が国民健康保険の保険料3万円と往復の旅費のみと いうのが魅力だった。さらに、ホームステイ先がロータリアン(会員)の家庭で、生活上のトラブルがあった場合はクラブが仲介をするというシステムにも安心 した。

 昨年秋、ストックホルムのクラブに連絡を入れ、日本への留学希望を伝えた。まもなく河内長野ロータリークラブを紹介してもらい、現在は日本の高校生とともに学んでいる。「日本の文化に触れ、大阪弁もしゃべれるようになりたい」とオエブロさん。

 ■祖国に関心持つ

  河内長野ロータリークラブを含め、大阪府南部と和歌山県内74クラブの集合体「第2640地区」は、海外への送り出しも進める。府立富田林高校3年の池田 奈那さん(19)もその1人。幼いころから欧州にあこがれていた池田さんは、高校入学後、ロータリーの青少年交換プログラムのことを聞き、平成18年7月 に応募。大阪府高石市の羽衣ロータリークラブとドイツのロータリークラブの協力を得てテューリンゲン州の高校に1年間留学し、この8月に帰国した。

 「ドイツで日本について聞かれても答えられないことが多かったのが悔しい。日本のことをもっと勉強して大学進学後、もう一度、海外に留学したい」と夢を膨らませる。

  高校生の交換留学を支援する第2640地区だが、今後の課題もある。それは留学を終えた若者との結びつきの強化だ。同地区青少年交換委員会の豊岡敬委員長 (45)は、「OB会はありますが、年月がたつと連絡が取れないメンバーが出てきます」と話す。これからは、帰国した生徒がどのような進路を歩み、留学経 験を社会でどう生かしているかを継続して把握する組織に改編し、「国際貢献に直結するプログラムを目指したい」(豊岡さん)と意欲を燃やす。

 【用語解説】新世代プログラム  ロータリークラブの若者への支援事業は(1)高校生の交換留学の斡旋・実施(2)青年を招いての野外活動の実施(3)14歳から18歳までのボランティア グループへの援助(4)18歳から30歳までの同様な組織への応援−の4本柱からなる。第2640地区では、(1)と(2)について例年約1000万円を 拠出するなど、年間で総額約2000万円の事業を展開している。

前の記事:(7)奉仕実践の若者応援 活動通じ人間錬磨を »

後の記事:(9)地域密着の奉仕活動 NPO設立で継続へ »

ホーム