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(9)地域密着の奉仕活動 NPO設立で継続へ

 ロータリークラブの活動で市民の目にとまるのは、地域に根差した文化活動や医療補助活動を行う社会奉仕だろう。大阪府南部と和歌山県内にある74クラブの集合組織「第2640地区」は最近、園児の演奏会を開いたり、「エイズ啓発キャンペーン」を行ったりした。

 ■夢中になる園児

大人顔負けの演奏を披露する園児。河内長野東ロータリークラブは演奏会の運営主体をNPOに移管するよう検討を進めている=11月15日、河内長野市

  11月15日の大阪府河内長野市立文化会館の「ラブリーホール」(座席数1300)。いつもはオペラやジャズのコンサートが開かれるホールに、この日は周 辺の幼稚園や保育園の園児約500人が集まった。河内長野東ロータリークラブが主催する、園児による合唱や和太鼓などの演奏会「第3回歌・踊・奏(かよう そう)」に出演するためだ。 

 和太鼓をたたいた園児は腹掛けや法被を身にまとったその姿だけでなく、演奏の中 身も本格的で、ほぼ満席の大人をうならせた。長野保育園(永田哲雄園長)の山本一巴君(6)は「手にまめができるほど練習した」。それほどまでに園児を夢 中にさせた演奏会。同ロータリークラブの森本益行会長(59)は園児たちの舞台に目を細めながらその狙いを語る。「あの子たちにいい思い出をつくってもら いたいんです。一つのことに夢中になるのは、大人になってからも忘れられない財産になるはずですから」

  「歌・踊・奏」は河内長野東クラブ独自の活動だが、第2640地区内のクラブが連携して進める社会奉仕もある。11月29日にJR和歌山駅周辺で和歌山県 などと共同で行ったエイズ啓発キャンペーンもその一例。ハンドベル演奏やフラメンコのショーを行うかたわらで、HIV(エイズウイルス)検査を呼びかける チラシ約2000枚を配布した。

 ■背伸びをせず

 国際的な組織のロータリークラブは水不足に悩む国への支援も盛んだが、地域密着型の活動にも熱心だ。第2640地区社会奉仕委員会の笹島良雄アドバイザー(76)は「背伸びをせず、自分たちができる地道な活動をしている」と強調する。

  その一方で、ロータリアン(会員)を悩ますジレンマもある。それは活動の継続だ。本来、ロータリーは1つの事業について単年度で原則として終了する。 「ロータリーが遂行すべき奉仕は多くあり、その時々に応じて迅速に実施するため」というのが理由だ。だが、「歌・踊・奏」がすでに3回目となったように、 関係者ら支援を受ける側から継続を要請される案件も出てきている。

 こうした動きに対応しようと河内長野東ク ラブでは、外部組織としてNPO(特定非営利活動)法人を設立することを検討している。「12月に社団法人と財団法人の新しい法律がスタートし、簡単な手 続きでNPOをつくれるようになりました。ロータリアン以外の方にも役員になってもらえるよう関係者に依頼しています」と森本さん。新規の奉仕はクラブで 行い、継続案件はNPOで実施。これからのモデルケースとなりそうだ。

 【用語解説】社会奉仕  ロータリークラブの社会奉仕としては、周辺の美化運動など身近な課題に取り組むことが多い。基本的に各クラブが独自に展開し、費用も自前で用意する。河内 長野東ロータリーは「歌・踊・奏」に約120万円を充てた。エイズ啓発キャンペーンは和歌山県内のクラブから拠出を受け、合計約50万円で実施。このほ か、第2640地区全体の事業では、和歌山県の高野山参詣道周辺にヤマザクラやケヤキなどを植えたことがある。約3000万円を募金して実現した。

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