2009年2月 1日
(番外編)奉仕団体の性格づけ明確に 橋本さん/他国との相互理解の意識を 田岡さん
104年の歴史を持ち、200以上の国・地域に拠点を置くロータリークラブ。大阪府南部と和歌山県内の73のロータリーの集合体「第2640地 区」をこれまで13回にわたって取り上げてきたが、広い視野からロータリーのあり方を考える人もいる。アジア全体の広報担当者、田岡久雄コーディネー ター(75)と、関西・中国地方の広報担当者である橋本譲コーディネーター(78)だ。2人にそれぞれの立場から日本のロータリーの課題や将来像を聞いた ところ、「日本のロータリアン(会員)は他国・他民族との相互理解を」、「奉仕団体としての性格づけを明確に」という答えが返ってきた。 (山田肇)
経営にも効用
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田岡久雄(たおか・ひさお)さん 昭 和8年、仙台市生まれ。大学在学中の27年から京都放送のアナウンサーとして活動。以後、フィリピンのデ・ラ・サレ大学や京都学園大などの講師を歴任。 55年、京都伏見ロータリークラブ入会。58年、京都や滋賀など4府県からなる「第2650地区」の広報委員長に就任。平成18年から、アジア全域の広報 担当者(コーディネーター)。 |
「日本のロータリアンは会活 動が非常に熱心」と太鼓判を押すのは、2006(平成18)年からアジア各国のロータリーを見てきている田岡さん(京都市伏見区在住)。そのうえで、田岡 さんは「日本人のまじめさがあだとなり、アジア諸国との誤解を生じる危険もあり得ます」と不安視する。
こん なケースが過去にあったという。日本のロータリーがアジアのある国に障害者用の器具を寄贈した際、贈られた方は感謝しながらもその器具を売却して現金を得 ていた。日本の常識では善意を踏みにじる行為に映るが、「その国では、非難の対象にすらなりませんでした」と田岡さん。
アジア各地を視察した経験のある田岡さんだけに、諸外国と日本の感覚の違いを指摘。「日本の考えが世界標準だと思ったら大間違い。相手を思いやる気持ちだけでなく、国情や風土をも考える相互理解の意識がないと善意の押し売りになってしまう」と強調する。
「国際的な活動をする日本企業は今後も増えるでしょうが、なんらかのトラブルはつきものです。ロータリーの国際奉仕活動で、国家・民族が持ついろんな価値観に対する訓練を積んでいけば、ビジネスにも役立つはず」と企業経営への効用も説く。
奉仕使途は数%
関西と中国地方(九州・四国地方に所属する広島、山口両県を除く)の広報を昨年から担当している橋本さん(岡山県倉敷市在住)は「日本の中でも関西地方の活動は活発です」と語る。
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橋本譲(はしもと・ゆずる)さん 昭和5年、岡山県倉敷市生まれ。34年、実父が経営する歯科医院に歯科医として勤務。43年、同院の院長に就任。55年に倉敷ロータリークラブ入会。平成 9年、岡山・鳥取・島根3県のロータリーの集合体「第2690地区」のガバナー(代表者)就任。20年から大阪府、岡山県など2府10県をエリアとする第 3ゾーンの広報担当者(コーディネーター)。 |
ただ、懸念材料もある。会員数の減少だ。会員が減ってしまえば、崇高な理念を実践していても、市民の評価には結びつきにくい。
橋本さんが考える増員策は3点。まず、PRの積極的な展開だ。市民には見えづらい奉仕活動から脱却し、ロータリーの実績をもっと世間に知ってもらうよう方針を転換させたいと訴える。
次に、会費の使途を変えるよう求める。橋本さんが調べたところでは、奉仕団体を標榜(ひょうぼう)していながら実際に奉仕活動費として使っているのは、年 間予算の数%というロータリーが多い。使途の大半は忘年会や会員の家族を招いた親睦(ぼく)会に使われている。これを、奉仕への投下に切り替えるという考 えだ。
最後に「ロータリー=奉仕団体」と明確化すべきだ、と提案する。ロータリー内部では「奉仕活動はあくまでも手段。活動を通して人間性を高めるのが最大の目的」との考え方があるが、橋本さんはこれを「分かりにくく、時代に合わない」と見る。
「清掃活動や献血の呼びかけで、私たちは汗を流し寄付もします。支援を受けた側は喜んでくれ、それがまた、ロータリアンの喜びにつながります。こうした単 純な図式の方が新会員も増え、退会者も少なくなるのでは」と橋本さん。ロータリーがどんな活動をしている団体なのか、分かりやすくすることが肝要というわ けだ。
(2009年2月 1日 13:51)
Category:変わるロータリークラブ「第2640地区」の挑戦
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