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技術力結集「未来」つくれ 緊急シンポ 22日開催

 産経新聞社と経済産業省などは2月22日、大阪府東大阪市の東大阪市立市民会館で「がんばれ!!ものづくり日本 緊急提言シンポジウムin東大阪」を開く。地元企業のパネリストとして高圧油圧ポンプ製造で知られるタカコ会長の石崎義公氏、人工衛星「まいど1号」を打ち上げた東大阪宇宙開発協同組合理事長で日本遠隔制御常務の今村博昭氏が登場する。苦境を乗り切る方策を聞くとともに、6500もの町工場を抱える東大阪の実情をまとめた。

 提案型企業へ 変身必要 タカコ会長 石崎義公さん

 米国発の金融危機は東大阪のものづくり企業にも多大な影響を与えています。特に深刻なのが平成18、19年ごろに設備投資をした下請けの中小企業です。この時点では好景気だったため、発注元の大企業から設備投資への強い要請があったと聞いています。

 ところが、金融危機後は発注がぱったり止まったため、下請けの中小企業が過剰投資を抱えることになってしまいました。多くの中小企業で、借入金の返済が今年4月ごろから始まりますが、現在のように受注のない状態が続くと、借金の返済ができず、みな倒れてしまいます。

 これらの中小企業は、好景気のときは収益を上げていた力のある企業です。過剰投資のあおりで倒産となると、技術の継承の意味からも大きな損失です。

 ですから金融機関や保証協会には、返済期限を1年延ばすなどの措置を講じてほしい。金利の支払いは仕方がありませんが、返済が先延ばしになるだけで、状況は変わります。借り換えは難しいので、ローンの組み直しが理想です。

 中小企業でも、不況下で生き残れる体質づくりが重要です。それにははまず、「提案型企業」になる必要があります。発注されたことにただこたえるだけでなく、自分から新しいことや改良点を提案していく。このことをやるだけで、1歩も2歩も他社から抜きんでることができます。

 東大阪では「材料を切る」「加工する」「研磨する」などの工程ごとに企業があり、細分化しすぎています。これでは、発注元の企業が使いづらくなります。それぞれの工程を担当する数社が協力して「部品の完成品」として出していく必要があります。

 だれも責任を取りたくないので、代表者をやろうという人がなかなか出てきません。行政などが主導して組織的にできるようにする必要があると思います。完成品にするだけで、東京や海外から仕事を取ることができます。東大阪にはそれだけの技術力が十分にありますよ。 (談)

 萎縮せず 新しい魅力を 日本遠隔制御常務 今村博昭さん

 東大阪の町工場の力と技術を結集した人工衛星「まいど1号」の打ち上げの瞬間を種子島宇宙センター(鹿児島県)で見守りましたが、感動にひたる間はありませんでした。

 毎分5回自転しながら地球を回るまいど1号が宇宙に放出されるとき、最初のスピン(回転)を生じさせるスピンホイールという部品を、うちが供給していたからです。

 発射から約2時間後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の職員に「回転を始めました!」と報告をもらいました。「8年がかりのプロジェクトが成功した」とやっと喜びをかみしめることができました。

 まいど1号は東大阪や中小企業を元気づけた、とよく言われます。

 でも、それが東大阪宇宙開発協同組合の各社の利益につながったかといえば、違います。うちに、まいど1号がらみの仕事の依頼などありません。各社とも試作や研究に、少なくとも1000万円はつぎ込んでいます。社員は自分の本業を抱えつつ、つきあってくれたのです。

 期待するとすれば、まいど1号を見てものづくりに関心を持つ若い人が増えることでしょう。将来、彼らが「ものづくり企業で働きたい」と思ってくれればいいと思います。

 昨今の景気後退は、東大阪の中小企業にとっても本当に厳しい。うちは商品の7縲怩W割を輸出していますが、円高で海外の代理店から値下げ要求をされたり、在庫調整で注文が激減したりと大変です。

 ひとつ感じるのは、消費の沈滞が、心理的な要素で引き起こされていることです。たとえば、ホビー商品の主力購買層は年金世代です。実際の所得は減っていないのに、財布のひもは堅い。、世間の不安感が払拭(ふっしょく)されないからです。

 消費者に魅力を感じさせる商品を作れば、少なくとも国内販売量の落ち込みはカバーできるはず。あまり萎縮せず、新しい魅力を発信しなくていけないと思います。 (談)

 東大阪の現状は 84%が「受注減った」見通しも厳しく

 6500もの町工場が集積する東大阪市。昨年9月の「リーマン・ショック」以降、中小企業の町はどんな状況にあるのか。

 市が1500社(回答率30・8%)を対象に実施した平成20年10縲怩P2月期の市内中小企業動向調査によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は製造業で前期比13ポイント悪化のマイナス73、非製造業で16ポイント悪化のマイナス78となった。DIは「良い」と答えた企業から「悪い」とした企業の割合を引いた数値で、いずれも調査を始めた平成2年以降で10年7縲怩X月期、同4縲怩U月期に次ぐ3番目に悪い数字だった。

 経営上の問題点としては「売り上げ、受注の停滞減少」をあげた企業が製造業で84%と前期より21ポイント増えた。この結果、収益が急速に悪化し、資金繰りで苦しさを訴える企業も多い。製造業では「過剰人員がある」とする企業が35%と前期より16ポイント増えた。

 設備投資の動向では、製造業で20年10縲怩P2月期に実績があったとした企業が16%と前期より8ポイント減少。今後の計画では来期(21年1縲怩R月期)は14%、来々期(同4縲怩U月期)は9%と設備投資意欲はさらに落ち込む見通しで、逆に32%は「過剰設備を抱えている」と回答している。

 今後の見通しについても製造業では来期がマイナス86、来々期がマイナス81といずれも調査開始以来の悪さとなった。市モノづくり支援室は「中小企業はかつてないほどの厳しい状況にある」とみている。

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