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南都銀行頭取 植野康夫さん(64)(4)トップに立って

全営業店訪問し考えを直伝

 専務取締役になって4年目の平成20年4月、当時の西口広宗頭取(現会長)に呼ばれ、「6月の株主総会をもって退任するので、後任をお願いしたい」との要請を受けました。自分がトップの器なのかとは思いましたが、お受けしました。

 西口会長の頭取在任期間は11年に及びました。不良債権処理に一応のメドがたったこと、「大阪戦略」も成果をあげていること、他の地銀との共同システムも稼働したことの主に3点を理由にあげ、後進に道を譲りたいとのことでした。

 平成元年7月から7カ月間、わたしは西口会長の部下として仕えたことがありました。当時、わたしは高田支店の次長。西口会長は支店長としてやってこられました。取引先をいっしょに回ったりしましたが、そのおつきあいの仕方のうまさや、相手の経営者を見る目の鋭さに感嘆しました。

 西口会長はエネルギッシュで相手の懐に飛び込んで親しくなるタイプです。わたしは人前で話すのが苦手で、まねることはできませんが、昨年11月から約150に及ぶ全営業店、グループ会社を訪問し、みなさんにわたしの考えを直接、ナマで伝えています。

 今の厳しい経済情勢の局面で、わたしは営業の第一線で働かれているみなさんに「地域金融機関の一番の強みはお客さまとの接点が多いこと。今こそ、誠心誠意、お客さまと向き合って、信頼関係を構築してほしい」ということを強く訴えています。取引先が苦しいときに支えてこそ、本当の信頼関係が生まれるし、こうした姿勢でやっていると、新たな取引先開拓拡大のチャンスになるはずです。

 頭取として、本業以外で力を入れたいと思っているのが、環境保全を柱にした社会貢献活動です。奈良県は県土の77%が森林です。特にわたしが生まれ育った吉野郡では杉やヒノキが全国的に有名ですが、林業の衰退で適切な手入れが行われず、森林の荒廃が進んでいます。そこで、民間業者や自治体などと連携し、吉野産の杉やヒノキなどの間伐材を使ったわりばしなどの木製品の需要を高めるプロジェクトを開始しました。地球環境保全と地域産業活性化の両方につながるもので、これを発展させていきたいと思っています。=おわり

 (聞き手 佐藤安律)

            ◇

「いま、語る関西人国記」は隔週連載です。次回は3月23日~です。

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