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トルネード手本に飛躍 阪神 能見篤史投手

 ブルペンでは調子がよくても、試合になるとダメ…。「ブルペンエース」というありがたくない名で呼ばれていた阪神の能見篤史投手(29)が5年目の今季、大きな飛躍をとげた。バイブルは日米通算201勝をあげた野茂英雄氏だった。

 打線の援護に恵まれず2勝(4敗)どまりだが、53奪三振はリーグトップ。防御率2・66は安藤、下柳をおさえてチームトップだ。昨年までと変わったところを聞くと「腕を大きく振って投げることを意識した」「サイドで投げたりして、打者を幻惑させる投法をマスターしたこと」。

 そして久保投手コーチは「野茂の存在」も大きかった、と振り返る。「キャンプ中、いろいろ話をした。もう若くはない。なにか思い切ったことをやらないとダメ…とかね。そのとき、野茂がオリックスの宮古島キャンプで(若手投手の前で)投球練習をしているシーンをテレビでみて『これだ』と思った」。

 2月からオリックスのテクニカル・アドバイザーに就任した野茂氏といえば、現役時代、大きく振りかぶって背中を打者にむけて投げる「トルネード投法」で一世を風靡(ふうび)した。

 久保コーチは「すべてまねをしろ、といっても無理。少し腰を左側にひねって投げてみてはどうか」と能見にアドバイスしたという。

 野茂氏とは面識はなく、自分の投球スタイルとは違うことで戸惑いもあったが、「自分を変えるために新しいことに挑戦したい」。キャンプのブルペンから「トルネード投法」をイメージして投げ続けて1カ月が過ぎた3月中旬、速球のスピードが増し、課題の制球力も安定するようになったことが自分でもわかったという。

 シーズンに入ると、145キロ前後のストレートとキレのあるスライダーで打者を抑えつけた。久保投手コーチは「昨年までは上半身の力だけで投げている感じだった。左足に体重をかけ、からだ全体を使って投げているから球の威力も増した。野茂のおかげだよ」。

 19日から交流戦が始まるが、「相手よりも自分。ここぞというときに打たれる。いくら好投してもチームが勝たないと意味がない」。4位に甘んじているチーム。反撃の旗手になると意気込んでいる。

(三木建次)

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