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【再出発の関西独立リーグ】(上)地域の支援築けるか

 分配金3000万円の未払いに端を発し、運営会社「ステラ」が撤退した関西独立リーグ。大阪、神戸、明石、紀州、そして来季参入する三重の5球団による合議制での新組織を立ち上げ、リーグ戦を続行するという困難な「かじ取り」が待っている。「破綻(はたん)」までを検証し、今後のリーグ、そして選手たちの未来を展望した。(喜瀬雅則)

 4球団で発足し、最終的には16球団に拡大する計画を披露していた前リーグ運営会社「ステラ」。しかしバラ色の未来図には、リーグ内部から異論の声が挙がっていたのも事実。そしてその危惧(きぐ)はスタート2カ月で現実のものに。そこにはふたつの「誤算」があった。

 ひとつは観客動員だ。昨年5月、リーグが配布した事業概要には1試合平均観客動員の目標として「2000人」という数字があげられていた。しかし、現実は厳しかった。今季、ここまで36試合を開催。大阪が主催した3月27日の開幕戦は1万1592人だが、これはいわば「日本初」の女子プロ野球選手で話題になった神戸の吉田えり人気によるもの。1試合平均では、その神戸は1149人。他の3球団は1000人を切り、紀州は500人台。大阪も開幕戦の数字をを除くと、541人にとどまってしまう。

 先行の四国・九州アイランドリーグ(IL)は昨季、1試合平均886人、北信越ベースボール・チャレンジ(BC)で1318人。「都市型リーグ」として、関西での野球人気の高さ、人口の多さなどに期待した部分はあるのだろうが、初年度で「2000人」は「机上」の数字だった。

 さらに球場にも問題があった。神戸が試合をした神戸総合運動公園サブが収容できるのはネット裏の587人、芝生席の内野のみで外野席はなし。目標の2000人を収容できない場所で開催した2試合の観客動員は計1312人。計画のずさんさを象徴するような数字だろう。

 経営基盤の脆弱(ぜいじゃく)ぶりも命取りになった。今季5年目の四国・九州ILも関西と同様、開幕2カ月で、スポンサー収入が見込額を2億4000万円下回る資金不足が発生した。当時は徳島、愛媛、高知、香川の4球団は法人化しておらず、リーグ運営会社「IBLJ」の事業部門だったため、リーグ崩壊は、同時に4球団の消滅を意味した。

 そこで香川を中心に四国でIT関係の仕事を展開していた鍵山誠氏(現リーグCEO)が立て直しに乗り出した。自らの会社から調達した2億円、複数の地元企業の協賛による1億円の計3億円をリーグの資本に注入したのだ。

 「大事なのは、理念と情熱、そして資金。ボランティアや野球教室で地域と溶け込みが深くなって、初めて地域が応援してくれる。その下地を作るのに、2年から3年はかかる。その我慢の時期を支えるのは、リーグやオーナー、球団社長。私財を投じてでも、支える覚悟が必要」と鍵山氏は振り返る。

 資本金は、会社の「体力」を意味する。リーグを運営する「IBLJ」の現在の資本金は3億6550万円。しかし、関西リーグの場合、「ステラ」の資本金は発足時の説明資料では1225万円に過ぎなかった。新して運営母体は、各球団の均等分担で資本金を準備する予定だが、果たして四国・九州ILのように、球団経営の後方支援ができるだけの経済基盤が、早急に築けるのか。大きな課題として横たわる。

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