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カラスのラブコール 三箇恵子 63 自営業 大阪市東淀川区

 もう、許さん! 我々を誰だと心得る、人間様なるぞ!!

 洗濯物にわざと糞(ふん)をひっかけていく。プランターの草花は根こそぎ引っこ抜く。野菜の種をまけば3メートルぐらい後ろについてほじくる。そろそろ食べごろと楽しみにしている畑の果実は、家族親戚(しんせき)引き連れ熟れたところだけつついていく…。

 わが自宅兼事業所は、三方を淀川、畑、家庭ゴミの集積所に囲まれたカラスの理想郷にあるが、連日のいたずらにはほとほと手を焼いている。

 そんなある日、階段の手すりで羽を休めていたか、次なるいたずらを考えていたカー子と社長の主人が鉢合わせ。どちらも驚いたが、そこは人間様の社長、持っていた角材をハッシと振り下ろす。ところが彼女、一声「アホー」と大空へ。

 それからは何を勘違いしたか。畑から芋虫、ゴミ置き場からは、かりんとうにこんにゃく、どうして運んだのか大きなパンまで手みやげ持参で社長に会いに来るようになった。

 我々と目の合うところに止まっては「カーアァーアー」シャチョーと鳴き叫ぶ。

 「呼ばれても『うるさい』言うてヒョコヒョコ出て行くのはやめよう。それにしても社長、責任取ってください」と朝のミーティングで真剣な議題となり、みなで吹き出す。

 「そない気に入ってくれたんなら、責任取ってウチで雇うか」とこれまた社長の無責任なオコトバ。

 あわや従業員カラス1匹となる寸前、彼女の会社訪問は終わったが、今でもこのカラスの仲間たちの自宅へのいたずらには悩まされている。

 ホンマにもうお願いだから花抜かないで!

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