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【産創館レポート】逆転発想「トイレ前」の一滴

携帯用消臭剤「PIPI&PUPU(ピピアンドププ)」 皮革工業薬品の研究開発・製造を手がける田中科学実験所(大阪市西淀川区)は、創業から約70年の老舗。日本で最初にメチルタウリンの工業化に成功するなど、界面活性剤の製造で独自の分野を開拓してきましたが、近年は新興国の台頭による皮革関連市場の縮小で厳しい状況に置かれていました。

 「そんな現状を打開したい!」と立ち上がったのが、次期社長の田中寿賀(たなか・すが)さん=写真右=と2人の妹。女性なら誰でも気になるトイレ後のにおいに注目し、女性ならではの視点で“トイレ前”に使う携帯用消臭剤「PIPI&PUPU(ピピアンドププ)」を開発しました。

 消臭剤のメーカーとしては後発の同社は独自性を模索しました。一般的なトイレ消臭剤は、使用後に漂ったにおいを消しますが、同社の商品は“トイレ前”に使用します。便器の水溜り部分に数滴たらすことで、水面を被膜し、嫌なにおいを閉じ込めて水中消臭。さらに有機物のためバクテリアが分解してくれます。

 また「いかにも消臭剤というニオイを避けたい」という女性ならではのこだわりで、使用時にはアロマオイルのような優しい香りがたつような工夫がされています。

 田中さんの発案から1年で商品化されましたが、これまで工業用薬品の製造をしていた同社にとって、BtoCの商品を手がけるのはこれが初めて。開発にあたり、女性モニター100人に消臭効果やパッケージデザイン、使用感などをヒアリングし、商品に生かしました。

 また長女の田中さんが全体の進行管理と営業を、二女が香りの研究開発を、三女がパッケージやパンフレットのデザインを手がけるという見事な役割分担で、商品開発を成功させたのです。

 現在、田中さんは販路を持つ人と商材を持つ人をつなぐ大阪産業創造館のマッチングサービス「儲けティングプラザ」などを利用しながら、販路開拓に奔走中。商品は、東急ハンズやネットショップなどで扱われるようになりました。お客さんからの反応も上々。「姉妹で力をあわせ、この商品を事業の柱になるまで育てたい」と語ります。

(大阪産業創造館プランナー 大桐万喜子)
 

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