2009年8月17日
(3)国際ロータリー国際奉仕・世界社会奉仕委員会地区委員 石田秀さん きたれ! 女性会員
そこにいるだけで“場”が華やぐ人がいる。石田秀さん(64)=大阪西南ロータリークラブ所属=もそんなしなやかな女性の一人。入会して15年がたつ。「いまだに、ロータリークラブの会員は男性だけと思っている方もいるようですが、うちのクラブに初の女性会員が誕生したのは平成5年。現在、女性は13人です」
石田さんの入会理由は、ロータリーが世界最大の国際奉仕組織であること。国際ロータリーが1985(昭和60)年にスタートさせた「ポリオ(小児まひ)撲滅活動プロジェクト」で、「これまでに世界の20億人の子供が予防接種を受け、25万人の命が救われ、500万人が後遺症を免れました」。そう話す口調に誇らしさがにじむ。
■恩返しの心を重ねて
昭和42年から2年間、米ニューヨークで暮らした体験が原点にある。同州立ファッション工科大学へ留学、ニューヨークメイヤーデザインスクールを卒業した。1ドル=360円の時代。切りつめた生活で風邪をこじらせ、寮のベッドでたった一人、何も食べられず死ぬ思いをしていたとき、韓国からの留学生が「食べないと病気がひどくなる。何が食べたい?」と、チャイナタウンへ八宝菜とご飯を買いに走ってくれたのだ。
「人種のるつぼのニューヨークで、同じアジアの人から受けた親切が身にしみて、自分がもらった“奉仕の心”をいつかお返ししたいと思ったんです」
■読み書きができれば
平成10年には、途上国の子供たちの識字率を高めることを主な目的としたNGO(非政府組織)、「インターナショナル・ソーシャル・サービス(I・S・S)」を自ら立ち上げた。本来の職業であるデザイナーの仕事の一環として、生地の仕入れに訪れたフィリピンやインドで大勢の貧しい子供たちを見たことがきっかけだった。
I・S・Sの会員は女性限定。理由は「女性には母性本能があり、困った人に手を差し伸べる感性があるから」。約80人が参加し、月500円の会費はすべて現地に送る。「I・S・Sの力では、毎年10人ずつの支援が精いっぱいですが、小学校を卒業するまでの6年間、きちんと面倒をみる。読み書きのスキルを身につければ、必ず自立の道が開けます」
13年には、子供を学校に行かせるため、まず母親が自立し、収入を得ることが必要と、アフリカのモザンビークに足踏みミシンを送るプロジェクトに協力。55台を届けた。また、日本・アフリカ開発会議で出会ったガーナ大統領夫人の要請を受け、仲間3人とガーナの農村の小学校を視察。帰国後早速、チャリティーフォーラムを開き、40人の小学校就学を実現させるなど、その行動力は折り紙付き。I・S・Sのような草の根活動と、ロータリークラブのような大組織の事業は両極にあるように見えるが、相乗効果が人生をどんどん豊かなものにしてくれていると、石田さんはいう。
「奉仕活動を共有し、その価値観のもとで男性、女性の関係なく対等な友情でつながれるロータリーの素晴らしさを、もっと多くの女性にPRし、女性会員が増えれば」。石田さんの思いは現実となるか。
【用語解説】女性会員
1989年まで国際ロータリーは、ロータリークラブの会員は「男性に限る」としていた。変更のきっかけは、米カリフォルニア州デュアーテクラブが78年、3人の女性に会員になるように勧めたこと。国際ロータリー理事会はこのクラブが定款に違反しているとして設立を取り消したが、カリフォルニア最高裁はクラブ側の主張を支持。米連邦最高裁もカリフォルニアの裁判を支持・確定。89年の定款の変更についての審議会で「男性に限る」の条項の削除が評決された。第2660地区では現在、会員約4千人のうち女性は5%の200人。
※2009年7月26日 産経新聞朝刊(大阪版)掲載
(2009年8月17日 09:38)
Category:変わるロータリークラブ「第2660地区」の元気人
この記事と同じカテゴリの最新記事
2011.01.17
2010.12.20
2010.12.15
2010.06.29
2010.06.15


