2009年8月29日
【南大阪連携6大学の挑戦・大学を地域の知の拠点へ】<1>
競争から協同へ/C―Campus事業がスタート
「これからは大学もサバイバル競争ではなく、ともに手を携えて未来の若者を育てていきたい」
今年4月30日。大阪市浪速区にオープンした大学連携キャリア教育センター「C―Campus(シーキャンパス)」。開設記念式典であいさつに立った桃山学院大学の松浦道夫学長はこう言って力を込めた。競争から協同への転換。それはまさに、少子化による“大学全入時代”を見据えた新たな決意表明でもあったのだろう。
C―Campusは、南大阪地域の6大学が連携し、高度な実践力のある人材を育成しようという前例のないプロジェクトの拠点施設になる。2008年、文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に選ばれ、文科省の支援を受けながら3年計画で進められるこの事業には、代表校の桃山学院大学をはじめ、大阪府立大学、大阪大谷大学、帝塚山学院大学、羽衣国際大学、プール学院大学が参加。人間を育てるという共通目標に向って、公立と私学が垣根を越えてスクラムを組んだのも画期的だ。
具体的なプロジェクトは、大学生が対象の「キャリア教育・FD(授業改善)」と「キャリア形成支援」、大学事務職員が対象の「SD(能力開発)」、社会人が対象の「生涯学習」という4つの柱を中心に進められる。そのパイプ役を果たすのが、02年に設立され、地域に密着したキャリア教育事業を進めてきた「南大阪地域大学コンソーシアム」だ。今回の事業の狙いについて、統括コーディネーターの難波美都里さんは「社会から求められる人材を送り出す大学の“製造者責任”を明確にすること」とし、さらにこう続けた。
「働くことは自分自身を社会で生かすことですが、最近はそこに意義を見いだせないまま、入社後すぐに辞めてしまう学生が増えているのが実情。従来、実践力の育成は企業が行うものという考え方が一般的でしたが、これからは大学もその責任を果たしていかなければならない。そのためにも、この事業を通して社会に出ても十分に通用する“人間基礎力”を養成していきたいですね」
各大学独自の知的資源や強みを共有することで効果的な連携が図れるのも、このプロジェクトならではのメリットだ。もちろん、大学だけでなく、産官学が地域と連携して人材育成を進め、町の活性化を図る狙いもある。10年後には地域社会のなかに教育インフラが整備された「南大阪キャンパス構想」の実現を目指すという。
「6大学が連携することでさまざまな課題が見えてくるはず。まだ走り出したばかりですが、より高い目標に向けて頑張りたい」
難波さんは言い切った。
◇
多彩なプロジェクトが動き始めた「南大阪地域6大学連携事業」。その取り組みを今回から6回にわたって紹介する。
(2009年8月29日 12:43)
Category:教育
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