2009年8月31日
(5)ロータリー財団委員長 松尾安彦さん 情厚き男 アジアに恩返し
団塊世代の松尾安彦さん(62)=守口ロータリークラブ所属=は、人から「頼まれたら嫌とはいえない男」と呼ばれる。しかも、参加すればどっぷりつかるタイプ。青年会議所は、25歳から卒業の40歳まで15年務めた。ロータリー歴13年。保護司歴10年。東久邇宮文化褒章理事、守口門真歴史街道推進協議会幹事のほか、今年6月には警察署協議会委員も引き受けた。
子供たちの笑顔見たくて
そんな“どっぷり”活動の1つに、平成13年からかかわる植林事業がある。「アジア諸国への緑の恩返し」を合言葉に、取引先である電機メーカーの主導でスタート。フィリピンでの4ヘクタール・1万本を皮切りに、19年10月までにゴムの木やチーク材など9種類、累計30万本の苗木をベトナムなど6カ国214ヘクタール(甲子園球場約55個分)に植えた。
「うちの会社は電機メーカーの内装建具の仕事をしていますが、材料となる合板のほとんどは東南アジアからの輸入。木材を消費する側の責任として、植林は義務だと思っています」
寄付をするだけではなく、現地の人と汗を流し、子供たちと笑顔を交わし、木を植える。木に対する感謝の気持ちを持ってほしいと、社員も現地に派遣する。
「植林30万本達成」を一区切りに、従来の活動は発展的解消となったが今年7月、有志でフィリピン・セブ島の植林支援に絞って再スタート。ロータリークラブの「職業奉仕」の精神に重なるその輪の中心に立つ。「現地で待ってくれている子供たちが大きくなったとき、木も育ち、緑を愛する大人に育ってくれるのが楽しみです」
悩みは時間の創出
中学生のころの将来の夢は、旅行関係の仕事に就くことだった。修学旅行で出会った添乗員にあこがれた。大学では観光学を専攻したが「1人息子が家を継がずにどうする」という父の一喝で家業に。夢ははかなく破れたが、家業に就けば、そこはのめり込む性格。高い品質基準を目指し、いち早く品質マネジメントの国際規格「ISO9001」「ISO14001」を取得。父の開発した世界初の加工技術をさらに発展させる。
その熱き思いは、ロータリークラブの将来像を語る言葉の端々にものぞく。「もっと地域密着型の活動を。過去には、守口市民祭など地域のイベントにロータリーだけが協賛していない時代もあった」「会員同士がお互いの工場の見学をするなど、親睦(しんぼく)を超えたつながりがほしい」「守口クラブは40年にわたってフィリピンで医療奉仕をしているが、日本の市民には全く知られていないのは残念すぎる」
悩みは、時間の捻出(ねんしゅつ)。
20年度はクラブの国際奉仕委員長として、モンゴルから来阪した少年力士の行動を写真で記録した。「仕事は、ほったらかしでした」。引退したら、したいことが山ほどあるという松尾さんだが、まだまだ“頼まれ事”は増えそうだ。
【用語解説】職業奉仕
ロータリーの理念では、事業および専門職務の道徳的水準を高める▽あらゆる有用な業務は尊重されるべきであるという認識を深める▽あらゆる職業に携わる中で奉仕の理想を生かしていく―をその目的に含む。クラブの役割には、会員の手腕を生かして社会のニーズに応えるようなプロジェクト、たとえば従業員研修、引退後の奉仕の機会、識字率の向上、薬物乱用防止と治療、職業相談、職業活動表彰プログラムの開発をサポートすることも含まれる。職業奉仕の範囲は、クラブと会員の創意によって無限に広がる。
※2009年8月23日 産経新聞(大阪版)朝刊掲載
(2009年8月31日 09:00)
Category:変わるロータリークラブ「第2660地区」の元気人
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