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(8)大阪北ロータリークラブ広報委員 道幸彦三郎さん 楽しみ いくつになっても

 仕事の第一線を退いた72歳から、本格的に油絵を始めた道幸(どうこう)彦三郎さん=大阪北ロータリークラブ所属。90歳の現在までに描いた絵は千枚を超える。

 最新作は、今年7月に旅した北海道の風景。洞爺湖、小樽運河のレンガ造りの倉庫、北海道大学のポプラ並木…。「娘が荷物持ちについてきてくれたので、楽なものでした」

 ■2、3時間もあれば

自宅で作画活動に励む道幸さん。昨年までは毎年、絵画仲間とヨーロッパへスケッチ旅行もしていたという とくに絵が好きだったわけではない。それが絵筆を持ったのは「仕事を辞めたら暇やろ。一緒に絵を描こう」という大学時代からの友人のひと言。

 手始めに友人の住む京都で、鴨川や東山などの風景を描いた。スケッチを下絵にするのではなく、その場でキャンバスに絵の具を塗り、現地で仕上げてしまうのが“道幸流”。「2、3時間あれば1枚描けます」

 しかし、好日ばかりではない。数年前の冬のある日、伊吹山を描こうと思い立ち、1人で画材道具のイーゼルとキャンバスをかついで、近江長岡駅から徒歩10分足らずのお気に入りの場所に出かけた。絵の具を塗り始めたころ、風が強く吹きだした。寒さを我慢して塗っていると、雹(ひょう)が降ってきた。それでも道幸さんは、イーゼルを地面に押さえつけ絵を描きあげたという。

 母校である旧制和歌山高等商業学校(現・和歌山大学経済学部)同窓会の「絵画を楽しむ会」の最年長会員であり、会長。また神戸商大(現・神戸大学)社会学系同窓会の会報「凌霜(りょうそう)」の表紙もOBとして時に描く。

 毎年春は大阪・心斎橋の小大丸ビル画廊、秋はJR芦屋駅前のギャラリー「モンテメール」で新作約30点による個展を開く。

 ■ロータリーは生活の一部

 年間約70枚の新作の制作に加え、毎週1回のペースでゴルフを楽しみ、ロータリーの例会に出席する。90歳にしてその元気の秘訣(ひけつ)は、と尋ねると「動く機会がたくさんあるからでしょう」。

 絵の時間、ゴルフの時間、ロータリーの時間。それぞれが生活の中に整然と織り込まれている。

 「泉佐野の出身ですので、最初に入ったのは岸和田ロータリークラブです。昭和29年でした」

 繊維輸出関係と電池製造の会社を経営していたことから父は「繊維」、自身は「電気」の職業分類で親子で会員になった珍しい存在。最年少会員だった。その後、34年に泉佐野クラブの創立に尽力する。「36年に東京の帝国ホテルで開かれた国際大会にも父と参加しました」。大阪北ロータリークラブに移籍したのは、昭和47年。

 ロータリー歴55年。毎週1度、クラブの例会で話を聞き、昼食をとるのは、もう生活の一部。団塊の世代の大量定年が話題になり、自分探しがブームとなる時代、「いい仲間といい時間を過ごせる場があれば、いくつになっても楽しみは見つけられます」という道幸さんの言葉は軽やかだ。

 【一業種一人の会員制の改定と移籍】 ロータリーは、一業種正会員一人という創立以来の会員制を特色としてきたが、2001(平成13)年度に規定を変更。現在は類似する事業などを職業分類とする正会員の数は、原則として当該クラブの正会員総数の10%まで可能とされており、その運用は各クラブの実情に配慮して行われる。また会員は、移籍する会員や元クラブ会員を正会員に推薦できる。

※2009年9月13日 産経新聞(大阪版)朝刊掲載

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