2009年10月 5日
【教育想論】和歌山県知事 仁坂 吉伸さん
小中学校では「心を磨く」教育を
◆礼儀や道徳心が人生で大成する基礎
私は小、中学校は和歌山大学の附属校に通い、少人数の家庭的な雰囲気の中で、勉強の仕方も手取り足取り教えてもらい、周りは皆、気のおけない仲間という恵まれた環境で学びました。ところが高校は一転して1学年600人というマンモス校の県立桐陰。その中でいろんなタイプの級友ができました。

誰もがそれぞれに自分の生き方を追求しているという自由な校風で、私自身も自分の進路をじっくり考える訓練ができたと思います。
今、和歌山県行政の責任者として、私は人生に大きな影響を与える小中学校の教育に、「心を磨く」ことを学ばせる必要があると思っています。それは礼儀や「人の道を説く」といった、いわゆる道徳教育です。私たちが育った時代は、道徳というと民主主義に対する反逆という風潮があり、その影響を受けた今の教師や親たちは道徳を教えることにいささか臆病(おくびょう)になっているのではないでしょうか。礼儀や道徳心を学ぶことで、将来、社会へ出て会社や組織に所属しても「いい奴だ」と信頼される人間になり、それは人生において大成する基礎になると思います。
また、「なぜ」「どうして」と疑問を持たせる教育が大切です。そうした疑問は考える力を養います。例えば、ある文章が一体何を訴えているのかを考えながら読むことにより、感想を求められても、自分の考えを論理的に展開できる能力が身につきます。丸暗記だけでは不十分で、常に物事を考えて解を求めようとする姿勢が、適切な判断を導くことになります。
もう一つ、欠けているのは生まれ育った郷土を愛する教育です。教育環境には恵まれた私ですが、唯一不幸だったと思うのは地元・和歌山に関する教育を受けられなかったことです。和歌山には優れた文化や歴史、先達、さらに美しい自然や名所、旧跡がたくさんあります。地史や産物、経済的な位置づけを学び、正しい知識を身につけて、郷土に誇りを持って巣立っていってほしいと願っています。
(2009年10月 5日 17:52)
Category:教育
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