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【産創館レポート】従業員定着率を上げた経営理念

藤原和良社長 板金加工技術を強みに、時代の変化や顧客のニーズに合わせて集じん機や電車の運転台を製作するなど柔軟に業務を広げ、堅実に業績を上げている東和機器(大阪市平野区)。1973年、同社を34歳のころに立ち上げて、まだまだ現役で頑張っている藤原和良社長は、大阪産業創造館が開催している、初めて従業員の採用を予定している経営者向け相談会で「先輩」としての立場からアドバイスを送っている。

 そこで藤原社長が相談者に話しているのは、「自社の経営理念を作り、伝える」「よくしゃべる(コミュニケーションがとりやすい)人を採る」などの採用方針。実にシンプルな内容だが、この考えに至るまでには10年以上かかったという。

 当初はなかなか従業員が定着せず1週間、1カ月、3カ月、1年が退職のパターンで、昼食に出かけたまま会社に帰ってこないという最短記録(?)を打ち立てる社員までいた。このころは完全に「辞めた社員が悪い」と思っていたそうだ。しかし、「入ってはすぐ辞める」という状態が続くにつれ、何が原因か考えるようになり、しだいに深い悩みのタネとなっていった。

 そこから今の採用方針に変化したいきさつを聞くと、行きつけの理髪店で悩みを打ち明け、勧められて参加した勉強会で聞いた「会社は社長の器以上に大きくならない」という言葉がきっかけだった。「社長の器とは何か」。ありとあらゆるセミナーや講座に参加しながら数年間その答えを探し求めたという。

 多くの人との出会いの中で「器というのはすべてを認め、受け入れることができる度量」と自分なりに気付いた。

 そして、今まで考えたことのなかった経営理念を作り、どのような人を採用し、育成するかという軸が生まれた。このあたりから従業員の定着率が上がり、それにともない社内体制が安定してきたと振り返る。

 最近では、目標を持つことの重要性を伝え、年初に各人が年間目標を掲げるようにし、社員の成長する姿を見るのが楽しみだという。また、新卒の採用に力を入れ、不況に負けない体制づくりにも力を入れている。

(大阪産業創造館プランナー 山崎浩司)
 

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