2009年11月 9日
(15)地区研修委員会委員 宮里唯子さん 海外生活20年の国際派
スッと伸びた背筋と凛(りん)とした表情が印象的な宮里唯子さん(51)=茨木西ロータリークラブ所属=は大学卒業後の約20年間、海外で暮らした経験を持つ。アメリカ西海岸で3年、その後はタイのバンコクに腰を落ち着け、日系商社で働いていた。帰国は、急逝した父の事業を引き継ぐためだった。しかし、20年ぶりの日本は、ビジネスでもプライベートでも困惑することの連続だったという。
■マニュアル社会日本
さまざまな国籍を持つ人が暮らすバンコクから平成9年、大阪に戻った宮里さんを待ち受けていたのは、“マニュアル社会”の洗礼だったという。特に違和感を覚えたのは、ホテルやコンビニエンスストアでの対応だった。
たとえば、バンコクではサービスは雑でも、客が困っていたら、解決するまで店員は走り回るのが当たり前だった。しかし、日本では釣り銭を渡すときなど手も握らんばかりの店員が、勤務を終えて店の外に一歩出ると、入り口で客が困っていても知らん顔…。
「タイはシビアな格差社会ですが、一方で敬虔(けいけん)な仏教国。人に対してとても優しくハートがある。日本はきれいで、すべてがきちんとしていますが、本当の意味でのサービスはないと感じました」
海外で暮らした20年はまた、交友関係にも変化をもたらしていた。大学時代の友人は結婚して家庭人になり、父から引き継いだ事業の将来像を忌憚(きたん)なく話し合える仲間はいなかった。そんなとき、顧客の一人から勧められ、10年に茨木西ロータリークラブへ入会した。「ロータリーのヒューマンネットワークにどれだけ助けられたことか。厳しく、優しい先輩方に感謝しています」
■タイへの恩返しを
ロータリーでは、海外在住経験を買われ15年から5年間、地区世界社会奉仕委員会委員、副委員長、委員長を歴任した。現地と海外の2つ以上のクラブが協力して行う「水プロジェクト」などをベトナム、カンボジア、タイ、モンゴル、トルコなどで実施。各地のロータリアン(会員)との交流の輪を広げた。
「モンゴルでは井戸掘りや貯水タンクの設置。タイでは、貯水タンクや浄水器の設置など、水質改善に取り組みました。生活に根ざしたニーズをくみあげ、現地の会員がその後も継続的にフォローできる。それがロータリーの世界社会奉仕の意義であり、価値だと思います」
そうしたロータリーでの活動とは別にいま、心に期しているのは“タイへの恩返し”。貧しさから児童売春など過酷な暮らしを強いられる子供たちの支援とともに、タイの多彩な魅力を知ってほしいと、日本ではほとんど知られていないタイワインの紹介にも力を入れる。
「タイとワインは結びつかないかもしれませんが、とてもいいものができています」とほほ笑んだ。
【用語解説】地区研修委員会
クラブと地区の指導者に行う研修計画全般について支援する役割を担う。ガバナー(地区の代表)とガバナー・エレクト(次期ガバナー)が監督する。委員会は現ロータリー年度・地区内における地区指導者育成セミナー▽ローターアクト(青年活動)指導者育成研修▽クラブレベルの研修プログラム内容の検討▽講演者やボランティアの人選などを担当・評価する。委員には、研修・教育または討論進行の経験のある会員が優先して選ばれる。
(2009年11月 9日 08:00)
Category:変わるロータリークラブ「第2660地区」の元気人
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