2009年11月16日
(16)八尾ロータリークラブ元会長 佐野清さん
一人ひとりが奉仕の花を
八尾ロータリークラブの佐野清さん(75)は、タイの奥地の小学校に平成17年から毎年、図書館を贈っている。チェンマイのバァーンハイトン小学校から始まった寄贈は今年で5カ所目。今月18日に首都・バンコクから北東に飛行機で50分、さらに車で山道を1時間というノンカイ村の小学校で贈呈式を行う。「きっかけは、実は馬なんです」と佐野さんは、はにかんだ。
■目標は10図書館
“馬”とは、佐野さんの持ち馬だった競走馬「マイソールサウンド」。13年の中京競馬場でのデビュー戦(新馬戦)で優勝。17年の阪神大賞典まで重賞5勝をあげ、引退後は京都競馬場の誘導馬となった。
「よく走ってくれたので、その賞金の有効な使い道は何かないかと考えていたら、バンコクのスラムで出会った子供たちの顔が浮かんだんです」
タイとは約25年前、ビジネスをきっかけにつきあいが始まった。取引先の社長がタイ・ルンビニロータリークラブ会員だったことから仕事以外でも交流が深まり、貧しさから逃れようと地方の村から一家でバンコクへ出てきた人々がつくるスラムの存在を知る。
「この人たちが、生まれた村で生きていける手助けができたら」。その思いをタイのロータリアン(会員)に話すと、タイ文部省が識字率向上のため、僻地(へきち)小学校での図書館設置計画の国際協力を求めていることを知った。ならば、10年間で10カ所の図書館を贈ろうと決めた。
■「奉仕」と「施し」
タイ側の条件は、佐野さんが建物と本棚、机・いす、エアコンなどの設備を提供。蔵書はタイ文部省が用意し、メンテナンスは現地のロータリアンが引き受けるというものだった。
「奉仕とは、相手の意向に沿った提供を行って、それがきちんと機能しているかどうかを検証、お互いによくなったと喜びあえてはじめて完成します。そこに『施し』とのけじめがあると思っています」
3年半前に肝臓がんの手術を受けた。
当初は「なんで自分が…」と思ったが、手術ができる場所にがんができたことを感謝しようと気持ちを切り替えた。そのとき、何よりも力になったのが、奉仕からもたらされる喜びだった。健康を取り戻したあと、生かしてもらっているという思いが増した。
「ロータリーの倫理訓である『4つのテスト』は、奉仕の本質をついていると思います。クラブに入会して4つのテストと、企業トップとしての時間の使い方を学べたことがわたしの大きな財産になっています」と笑みを浮かべる。
ロータリーの奉仕の精神を学んだ一人一人が花を咲かせること。それが佐野さんの目標であり、実践だ。
【用語解説】4つのテスト
「真実かどうか」「みんなに公平か」「好意と友情を深めるか」「みんなのためになるかどうか」という4つの言葉からなるロータリアンの道徳的指標。一般の人にも理解できるよう、簡潔かつ的確にまとめた倫理訓で、言葉を発するときや何かを行うときは、まずこの4つのテストに照らすことが求められる。4つまとめたものを一つの基準としてすべてをクリアしなければならない。
(2009年11月16日 15:51)
Category:変わるロータリークラブ「第2660地区」の元気人
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