2009年11月23日
(17)東大阪ロータリークラブ 会員選考委員 河野栄さん
82歳のマラソンランナー
ハワイ・オアフ島で開かれるホノルルマラソンに62歳で初参加して以来、20年にわたって連続出場を果たす河野栄さん(82)=東大阪ロータリークラブ所属。マラソンを始めたのは、還暦祝いの席で一回り以上年下の知人に誘われたことがきっかけだった。一昨年からは80歳代の部で堂々の連続1位。今年も12月の第2日曜日、21回目のホノルルを走る。
■まさかの“坂”も越え
「最初にホノルルを走ったあと、実は『二度と来ないぞ』と思ったんです」
1年余りのトレーニングを積み、スタートラインに立ったものの、結果は予想外に悪い5時間25分21秒。12月という経営する会社が多忙な時期の出場、社員への気兼ねもあった。
それが翌年また誘われた。「もう一度だけ」と参加したところ、前年の記録を30分以上も短縮した。気分をよくして「よし、連続10回完走だ」と、目標を立てた。
しかし、10回連続への道は決して簡単ではなかった。9回目は、ホノルルに向かう飛行機の中で脳貧血で倒れた。翌年の夏には股(こ)関節を痛めた。当然、まわりは出場をとめたが、「それでも」と参加した10回目の大会で、11回目の参加という80歳の日本人男性とたまたま並走した。
「負けてられない」と目標を20回連続に変更した。素直な負けず嫌いなのだ。
そして、17回目となる平成17年の夏“まさか”の直腸がんの手術を受ける。「12月にホノルルマラソンに出たい」と主治医と、医者の息子に話すと即座に2人とも「むちゃを通り越してます」。が、走った。
「かつてロータリーの先輩に『あんたは熱中する質(たち)やけど、やりすぎても、いいかげんでもいかん』といわれたことが最近、なるほどとわかるようになりました」と笑う。
■渡された「水曜12時半」の札
ロータリーの入会は昭和54年。52歳の働きざかりだった。業界の先輩の薦めで入会したものの「毎週水曜日に、ホテルで昼ご飯を食べて前後1時間も取られるなんて」という思いもあり、出席率は悪かった。
そんなある日「水曜12時半」と書かれた札を渡された。1週間に1度、昼飯を食べにくる時間もつくれない人間に企業トップは務まらないといわれた。
すべての面でゼロから出発した事業を、グループで年商約60億円の会社に育てあげた経営者。一方、4歳で母と生別、6歳で父と別れるなど肉親との縁の薄かった河野さんにとって、ロータリーの先輩たちの親身の助言はありがたかった。
「マラソンも会社も日々の積み重ね。私は今、各ロータリークラブでホノルルマラソンの体験について卓話をしていますが、『継続は力なり』という言葉の意味の一端を、ロータリーで学ばせてもらったと思っています」
【用語解説】卓話(スピーチ) ロータリー例会での講演。1時間の例会時間のうち、後半30分に行われる場合が多い。会員以外のスピーカーを招き新知識を求めることもあるが、会員相互の職業や考え方を知る意味で、会員自身による卓話が望ましいとされる。2660地区では「卓話銀行」と呼ぶ制度があり現在、約60人の会員が登録。リストをもとに、各クラブが登録者を例会に招いて卓話を聞くことができる。
※2009年11月22日付 産経新聞朝刊(大阪版)掲載
(2009年11月23日 13:38)
Category:変わるロータリークラブ「第2660地区」の元気人
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