2009年12月14日
(20)大阪堂島ロータリークラブ第2代会長 西野公庸さん(85)
愛するSLオーナーに
愛してやまない蒸気機関車を所有した。“貴婦人”の愛称で知られる「C57 148」。旧国鉄が行った民間への有償払い下げ第1号として買い取り、経営する鉄鋼流通会社の本社ビルに展示した。昭和48年のことだった。
払い下げ価格の約1・5倍の費用をかけ、車輪・車軸などの足回りを整備。組み立て直して同年5月10日未明、長野駅から浪速駅(当時)まで2日がかりで鉄路を走らせ、移送した。
「5月10日は、わたしの誕生日なんです。機関車を横において『おはよう』『こんばんは』といえたら、という子供のころからの夢がかなった日でした」
戦争中は、魚雷や潜水艦のスクリュー音を探る、旧日本軍のソナー兵だった。78回転のレコードが針で削れて白くなるほど聴いていた音楽好き。その趣味に助けられた。「ソナー兵になっていなければ、ガダルカナルで死んでいました」
戦後、会社を創業。厳しい状況に直面したときには、力強く走る蒸気機関車の雄姿を重ね合わせて乗り越えた。「蒸気機関車は『汽笛一声』の世から、日本の苦しかった時代を支えたシンボル。中小企業の経営哲学の基本だと思います」
昭和50年には求めに応じて、兵庫県宝塚市の雲雀丘(ひばりがおか)学園の創立20年記念にC56型蒸気機関車を寄贈。お披露目で、ボイラーに石炭をくべて汽笛を鳴らし、近隣を驚かせた。その後も寄贈を続け、平成13年には、京都の嵯峨野観光鉄道が建設した「十九世紀ホール」にC56型、C58型、D51型の3台を贈り、今年表彰を受けた。
旧国鉄から払い下げを受けた蒸気機関車は合計7台。このうち6台を各種団体にプレゼントしている。
ロータリーへの入会は昭和62年。「入るなり、50人の友人ができた」。その感謝を込め、カメラの趣味を生かして例会の度に、出席者全員を撮影。23年間にわたって写真を配ってきた。
仕事の第一線からは退いたが、「自分も楽しく、人が喜んでくださることを今後もしていきたい。お金も、時間も、健康もいることですが、それが元気の素」と、笑顔がこぼれた。
(2009年12月14日 08:00)
Category:変わるロータリークラブ「第2660地区」の元気人
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