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【産創館レポート】究極オーダーメードで奇跡の集客

「今後は大都市を中心に店舗展開をしたい」と語るしんけんの井場元伸幸さん
 「起業の原点は、小学生のころに毎週見ていたテレビ番組『どてらい男(やつ)』」。

 そう語るのは、銀座大賀靴工房を運営するしんけん(大阪市天王寺区)の代表取締役、井場元伸幸さん。

 「どてらい男」とは、1970年代に放送され大人気だったテレビドラマで、主人公が大阪の問屋にでっち奉公に入り、型破りな言動から主人や番頭からいじめられながらも、鍛えられ、商人として成長し、大成していく物語である。井場元さんはこの主人公、通称「モーヤン」にあこがれ、「モーヤンになりたい」というのが小さなころからの夢だった。

 井場元さんは、学校を出ると建設資材会社に就職するが、「いつかは起業したい」という目標を持ち続け、30歳の時に独立して建築リフォームの仕事を始めた。しかし、明確な事業計画もなく3年目から業績が悪化。「このままではつぶれる」という不安感から、新規事業として健康グッズの卸売りを始めた。

 99年当時、飛び込み営業や大手小売店での実演販売をする日々が続くが「これからはインターネットの時代だ」とオンラインショップを開設した。こちらは時代の波に乗り、健康グッズや枕などが売れ、IT通販で月商2000万円を超えるようになった。しかし、「ネット販売は将来必ず競争過多時代が来る」との考えからさらなる新規事業を模索する。

 そうした中で、日本に一台しかない立体切削機で義手・義足を削り出す精密な技術を持つ義肢製作会社に出合う。「両足を三次元スキャナーで採寸し、精密な木型を製作してオーダーメード紳士靴を作ろう」と銀座に店舗を構えた。インターネットだけの集客ながら、上場企業経営者や有名芸能人なども多数来店し、奇跡の集客を実現する。

 このビジネスプランが認められ、経済産業省の「新連携」事業認定を受け、助成金で自社オリジナルのゴルフシューズも開発した。今年は大阪にも出店した。

 今後は大都市を中心に店舗展開をしていきたいと“どてらい男”になるべく井場元さんは「よ~し、やったるわい」と意気込んでいる。

(大阪産業創造館プランナー 北口育代)

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