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関西私鉄100年 ベンチャー精神再び

関西私鉄100年 ベンチャー精神再び 「私鉄王国」と呼ばれる関西で今年、阪急電鉄や京阪電気鉄道、近畿日本鉄道が創業・開業100年を迎える。記念すべき100年目だが、景気低迷と新型インフルエンザが鉄道収入、グループの流通事業を直撃、各社の経営を取り巻く環境は厳しい。逆風下、各社はシンボルタワーの建設やアジアの観光客誘致など、創業時の起業家精神で沿線のにぎわいを取り戻そうと挑戦している。

 京阪 渋沢イズムを学ぶ

 「新たな世紀にむけて大切なのは創業時から続く起業家精神だ」。京阪電気鉄道の佐藤茂雄CEO(最高経営責任者)はこう話す。

 京阪の創立委員長は「日本の資本主義の父」といわれる渋沢栄一(1840~1931)。淀川東岸で大阪-京都間の私営鉄道を計画したところ、すでに西岸に開通していた官営鉄道から「乗客が分散する」と反対された。

 しかし、渋沢は大阪の将来的な輸送需要の増大を見据え、明治43(1910)年4月に大阪・天満橋-京都・五条間の開業にこぎつけた。

 昭和初期に経営が厳しくなったときには経費削減とともに、創意工夫を凝らした。電力を夜間にためて朝のラッシュ時に戻す蓄電池を独自開発した歴史もあったといい、佐藤CEOは「既存の事業にこだわらず新しい事業の種を掘り起こす」と強調する。

 阪急 「大梅田」構想が軸

 阪急電鉄は、駅に百貨店を併設するなど私鉄のビジネスモデルをつくった小林一三(1873~1957)が創業。箕面や有馬といった観光地と大阪を結ぶことを思いつき、明治43年3月に箕面有馬電気軌道の営業を始めた。その後も宝塚歌劇を創設し、沿線に鉄道需要を創出するなど、旺盛なベンチャー精神で事業を拡大した。

 平成18年には阪神電気鉄道と経営統合して新時代を迎えており、阪急阪神ホールディングスの角和夫社長は「北ヤードなど大梅田構想が動き出せば、新阪急ホテルに泊まり、阪急、阪神百貨店で買い物と商圏は広がる。アジアの観光客を大阪に呼び込む」と意欲をみせる。

 近鉄 平成の通天閣動く

 近畿日本鉄道は明治43年9月に創業(当時は奈良軌道)。大正3年に大阪上本町-奈良駅間(約30キロ)を開業以来、延伸や合併などを繰り返し、今では日本の私鉄で最長の営業距離(508・1キロ)を誇る。

 今年1月には阿部野橋ターミナルビルの建て替えに着手。ホテルやオフィス、百貨店、美術館を備えた高さ約300メートルの日本一の超高層複合ビルが、平成26年春オープンする。近鉄では同ビルをグループのシンボルタワーと位置付け、「平成の通天閣」ともいう存在を目指す。
 

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