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【産創館レポート】高級ドラムで世界一めざす

有名ミュージシャンのサインの前に座る中田栄蔵社長。同社のドラムを愛用している人は多い ドラム、ティンパニーなどの打楽器を作り続けて80年あまり。同業他社が相次ぎ海外生産にシフトする中、世界トップ10に入る国産ドラムメーカーとしての地位を守り続けているのがサカエリズム楽器(大阪市東住吉区)です。

 中田栄蔵社長の祖父が楽器の輸入商を始めたのは1925年。日本でラジオ放送がスタートした年でした。その後、ドラム製造を手がけ、65年ごろに始まった大手楽器メーカーの高級ドラムは、現在すべてをOEM(相手先ブランドによる生産)で供給しています。

 「単純な構造だからこそ、手間のかけ方で音に差が出る」と中田社長は言います。ドラム工場では、高い技術力と経験を持つ職人が、季節や天候で接着剤の配合を微妙に変えるほか、バフ研磨やメッキなどの加工技術にも工夫を凝らし、豊かな演奏表現を可能にしています。

 そんな中、中田社長は、安定した会社運営を行っていくためにはOEMを行いながらも自社ブランドが必要と考え、長年温めていた自社ブランドの立ち上げを実行に移しました。

 OEMの供給先に配慮すべきと社内には反対する声もあったそうですが、「自分が思い描くドラムを形にしてみたい」と意志を貫き、Made in Japanの刻印がされた「SAKAE」ブランドが誕生しました。ドラムの胴に当たるシェル材には、従来と異なるマホガニーやブビンガなどの木材を用いて差別化を図り、チューニングしやすいようネジの締めやすさにもこだわっています。

 国内の楽器店を中心に取り扱いを増やし、創業85周年となる今年1月に「SAKAE」は米ロサンゼルスで開催される国際楽器見本市「NAMM SHOW」で世界デビューも果たしました。

 「3年後には自社ブランド製品を全売り上げの半分にまで高め、6年後には高級ドラム市場で世界トップをめざします」と中田社長。熟練の職人よる日本発ブランドの挑戦はまだ始まったばかりです。 

(大阪産業創造館プランナー 鈴木智子)


 

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