2010年2月23日
【がんばれ!!ものづくり日本】 中小製造所の進路(上)
時代の求めに「答え」導く
大阪府柏原市に配電盤や照明器具のメーカー、因幡電機製作所(本社・大阪市西区)の工場がある。照明事業の今後の柱として期待する発光ダイオード(LED)を光源とした道路灯や防犯灯、街路灯の製造拠点だ。首都高速10号晴海線で採用されたのを皮切りに、ここ1年余りで約260台の納入実績を築いた。
民間設備投資や新設住宅着工戸数が冷え込む逆風下で、同社は成長の見込めるLED照明の強化にかじを切った。この取り組みは当たり、既存製品の落ち込みをカバーして、平成21年9月期の売上高は約62億円とほぼ平年並みを保った。ここ数年は黒字経営が続いているという。
同社のLED照明の場合、道路照明で主流の高圧ナトリウム灯に比べて消費電力が約42%少なく、ランプ寿命は約2・3倍。価格は約5倍と割高だが、十数年はランプ交換の必要がないため、買う側も維持管理費の節約が見込める。昨年秋に就任した川口久美雄社長はこう語る。「時代が何を求めているのか、新機軸を打ち出したかった。照明事業では、LED照明がその答えだった」
経営者が自社の生き残りを賭けた手を打つ中で、中小企業の景況感については見方が分かれている。
大阪市信用金庫(同市中央区)が府内の取引先中小企業を対象に行っている景況感調査によると、21年10~12月期の総合業況判断DIは2期連続で改善。改善幅は7~9月期が0・1ポイントと小幅だったが、10~12月期は6・1ポイントに拡大し、22年1~3月期も5・9ポイントの改善を予想する。同信金の難波亘由・市信総合研究所所長は「改善幅が5ポイント程度と大きく、本格回復といえる。景況感の『底打ち』は間違いない」と語る。
これに対し、「まだ底ばいの状態。中小企業の仕事の量も依然少ない」と指摘するのは大阪商工会議所の中川正隆・経済産業部長。
従業員の雇用を維持する企業を助成する雇用調整助成金をめぐって、大商が3月に実施する説明会の参加者を募ったところ、定員100人に対し、110人以上の申し込みがあり、担当者を驚かせた。「助成金の支給要件が緩和されたこともあり、活用を我慢してきた企業も関心を持ち始めたのでは」(中川部長)
21年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は3四半期連続のプラス成長となった。だが、中小企業の場合は景気回復局面でも、輸出の好調などの恩恵を受けやすい大企業に比べて、持ち直しの動きが遅いとされる。大阪市信金の景況感調査も総合業況判断DIは改善したとはいえ、リーマン・ショック前の水準に比べるとDI自体はまだ大幅に低い。円高進行など“腰折れ”につながる懸念材料も少なくない。
◇
中堅・中小ものづくり企業の活性化と支援を目的にした「第2回がんばれ!!ものづくり日本 緊急提言シンポジウム in 東大阪」が3月3日、大阪府東大阪市のクリエイション・コア東大阪で開催される。長引く不況のなか、資金繰りに奔走する企業は少なくないが、一方で生き残りのため新機軸を打ち出す企業も現れ始めている。シンポジウムを前に、打開策を模索するものづくり企業の現状を探った。
【写真説明】因幡電機製作所はLEDを光源とした道路灯や防犯灯などで新たな収益源づくりを進めている=大阪府柏原市
(2010年2月23日 08:24)
タグ:がんばれ!!ものづくり日本, 因幡電機製作所, 照明事業, 発光ダイオード, LED
Category:がんばれ!!ものづくり日本, ビジネス
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