2010年2月25日
【がんばれ!!ものづくり日本】守口、門真の新たな挑戦
家電部品から電気自動車へ
大手家電メーカーの企業城下町、大阪・門真、守口市。国際化や円高の波で多くの工場が海外へと移転するなか、町工場が連携して小型の電気自動車(EV)を開発する試みが注目を集めている。従業員16人の金属加工業「淀川製作所」(守口市)などが進める「あっぱれEVプロジェクト」。小倉庸敬社長(52)は「不況で暗い話題が多いが、『町工場のおっちゃんもやるやんか!』と全国に元気を発信したい」と目を輝かせる。
町工場が立ち並ぶ守口市内の小さな倉庫に、オリジナルのカート型EV「Meguru(めぐる)」がある。丸みを帯びた車体に、3つの車輪が特徴の3人乗りEVで、製作は仕上げの段階に入っている。
モーターで動くEVは、ガソリンで動く乗用車よりも構造が比較的シンプルで生産しやすいとされる。その上、二酸化炭素(CO2)を排出しないエコカーとして普及も見込まれる。
開発のきっかけは昨年春、地元の中小企業仲間と開いた勉強会。EV製作の実績がある「京都EV開発」(京都府城陽市)顧問の講演に触発された。
家電の板金部品の製造で業績を伸ばし、近年は精密機械部品の試作や加工などに取り組んでいる淀川製作所は、兵庫県尼崎市の設計事務所など関西の中小企業3社とEV開発に乗り出すことにした。地場産業を支援する大阪府の補助金も受け、同年10月から本格的にモデル車の開発をスタートさせた。
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だが、初めての試みは困難を極めた。そもそも組み立ての基本となる設計図がなく、頼りになるのは完成予想のイメージ図だけ。車軸の傾きや車体の曲線を修正するために板金加工を繰り返し、デザインと合わせるために車輪も取り換えた。一つ一つの作業を手探りで進めるしかなかった。
そこで支えになったのが地元の町工場の仲間たちだった。大手家電メーカーのおひざ元である守口、門真の両市には、金属やプラスチックなどの高い加工技術を持つ町工場が多い。樹脂製のフロント窓やドアをとめる特殊ネジなどは仲間の企業が提供してくれた。
現在はボディーがほぼ組み上がり、内装やドアを取り付ける段階。ボディーの塗装は「メード・イン・ジャパン」を強調するため、京都のメーカーに依頼して特別に漆塗りを施した。
ドア部分は京和紙の扇子が開くスタイルにする予定で、すでに京都の老舗扇子メーカーに発注済みだ。天井部分と床部分は竹をあしらうことにしている。
「日本を象徴する京都の伝統技術と、守口、門真の匠の技を結集させている。町工場の意地と誇りにかけても日本人にしかできない繊細な車を作りあげたい」と小倉社長は意気込む。
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モデル車は3月末までに完成させ、公道で走らせるほか、今年いっぱいは各地のイベントでPRするつもりだ。将来的にはフレームを自社で加工・製造、バッテリーやモーターを汎用品でまかない、100万円以下の価格帯での市販を目指す。
空洞化する企業城下町で下請けからの脱却を目指す町工場の希望の星「めぐる」。近隣の中小企業とも積極的に協力したいという小倉社長は「小さな町工場でも技術が確かなら大手メーカーに太刀打ちできる。ビジネスチャンスをものにして、地元経済の起爆剤になればうれしい」と話している。
【写真説明】淀川製作所が開発を進めるEV。小倉社長は「全国に元気を発信したい」と話す=大阪府守口市
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ものづくり企業の活性化と支援を目的にしたシンポジウム「がんばれ!!ものづくり日本 緊急提言シンポジウム」が3月3日、東大阪市荒本北のクリエイション・コア東大阪で開かれるのを前に、大阪府内各地域での中小企業などの取り組みを紹介する。
(2010年2月25日 09:32)
タグ:あっぱれEVプロジェクト, がんばれ!!ものづくり日本, 京都EV開発, 淀川製作所, 電気自動車, EV
Category:がんばれ!!ものづくり日本, ビジネス, 当番のオススメ
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