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【リポート大阪2010】花園でラグビーW杯できる?

ラグビーW杯日本開催の横断幕が掲げられた近鉄花園ラグビー場。しかし、試合会場の候補には選ばれていない=東大阪市松原南 2019(平成31年)に日本で開催されるラグビーのワールドカップ(W杯)で、試合会場候補から漏れた近鉄花園ラグビー場について、地元、東大阪市は候補に盛り込むよう日本ラグビー協会に働きかけていく方針を決めた。ラグビーの聖地として知名度は抜群の「花園」だが、リストアップされている候補会場と比べると観客の収容力や設備面で劣っている。市は改修費用の公費投入も辞さない構えだが、全世界が注目する国際試合の開催を実現するには数々のハードルがある。(渡部圭介)

 W杯の試合会場は今後、日本協会の提案に基づいて国際協会の「国際ラグビーボード」(IRB)が正式決定されるが、日本協会では国内9会場のほか、香港、シンガポールで予選10試合を行う計画案を示している。

 しかし、IRBは1カ国開催を求めており、東大阪市では国外開催分の受け皿役として、花園への誘致に光明を見いだす。協会も「会場は正式決定されておらず、花園が会場になる可能性がないとはいえない」と花園の“採用”に含みを持たせている。

 協会はスタジアムの採用基準について「特にない」とするが、予選を含めたW杯の全48試合で、200万人の観客動員を目指している。単純に割れば目標達成には1試合あたり4万人以上を収容できる会場が欲しいところだ。

 しかし、候補では5万人以上の収容力がある巨大スタジアムの名前が挙がっている一方で、2万人に満たない会場もある。「3万人収容」とされる花園にもチャンスがあるように見える。

           

 だが、花園の観客席は約1万8千人分しかない。残る1万2千人は「立ち見」を考慮した数字だ。また、夜間照明設備の不備や、大型映像装置がないことなどもW杯を誘致するうえでのネックと考えられている。

 9月に開催される予定のW杯の試合は暑い日中を避け、夜間に行われる見込みだが、照明設備が不十分な花園は「薄暮試合」を開催した実績があるものの、夜間の試合を行えるだけの力がない。

 また、大型映像装置もリプレー映像を再生できることなどから、試合会場を盛り上げる必需品。花園のスコアボードは文字しか表示できず物足りなさが漂う。

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 東大阪市の野田義和市長はW杯誘致を表明した昨年12月の会見で、「数億円の負担をしても、まちづくりの上では価値がある」と、花園ラグビー場の改修に公費を投じる意向を表明している。しかし、一方では「すべての課題を市が解決するのは無理」とも語っている。

 花園ラグビー場は、市からの年間5千万円の助成金と会場使用料などが主な収入だが、現在でも維持費すべてをまかなえているわけではない。仮に改修が実現したとしても、更なるランニングコストの増加は所有する近鉄に新たな重荷を課すことになり、市も、近鉄側に多額の費用負担を求めるのは厳しいという見方が広がっている。

 市の担当者は「高校時代にラグビー全国大会に出場経験があり、花園でのW杯開催に理解を示してくれている橋下徹知事の発信力で、府民から寄付を募ることができれば」と話し、オール大阪での誘致活動に期待している。

 近鉄花園ラグビー場 日本初のラグビー専用グラウンドとして、大阪電気軌道(現・近畿日本鉄道)が昭和4年、競馬場の跡地に建設した。38年から全国高校ラグビー大会の会場として定着、「聖地」と呼ばれるようになる。メーンの第1、サブの第2グラウンドと、東大阪市が所有する第3グラウンドがある。

【写真説明】ラグビーW杯日本開催の横断幕が掲げられた近鉄花園ラグビー場。しかし、試合会場の候補には選ばれていない=東大阪市松原南

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