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【女性ががんになるとき】(下)7・19医療フォーラムを前に

◆予防の意識を高める ワクチン助成 国は本腰を

 若い女性の間で急増している子宮頸がん。ワクチンや検診で予防可能ながんとして注目を浴びる。専門家に現状と対策をきいた。

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 吉馴(よしなれ)産婦人科(八尾市恩智北町)。同院では、子宮頸がん予防のワクチンが承認、発売された昨年末以降、母親に連れられた若い女性が来院するケースが目立っている。

 なかには、中学生もおり、来院した理由をきけば、受診者たちは「周囲に子宮頸がんの罹患(りかん)者がいたから」という。

 吉馴茂子医師は「子宮頸がんは女性の大事な機能が集中している場所で起きるため、悪化すると、女性にとってつらい経験になる。そういう姿を身近に知っていると、母親が娘にワクチン接種させようと思うのは当然だ」と話す。

 ワクチンは半年間で3回の接種が必要だ。費用は約5〜6万円かかるが、現在、公費助成は一部の自治体にとどまる。八尾市も助成を検討しているが、現在は自己負担となっている。

 子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で、一般的には性交渉によって男性から女性に感染するとされる。日本では20〜30代の罹患率はこの年代のがんのトップを占め、早急な対策への取り組みが叫ばれている。

 吉馴医師は「欧米各国では性交渉が活発になる前の年齢(12〜14歳ごろから)にHPV感染を予防するワクチンを接種する。ワクチンの効果が及ばなかったとしても、がん化までに5〜10年とかかるため、年1回検診を受ければ、周囲の臓器を傷つけない最小限の手術で治療は可能だ」とワクチン接種と検診を併用する予防の必要性を訴える。

 海外の子宮頸がん対策に詳しい日本赤十字北海道看護大学のシャロン・ハンリー准教授も、検診受診率が7〜8割の欧米に比べ、約2割にとどまる日本に対し、国や地域ぐるみの取り組みを求める。

 「英国は2年前から中学生への無料接種を始めた。がんは悪化すると医療費がかかるが、子宮頸がんは予防できるため、国が費用対効果が大きいと判断した」と説明する。

 英国はワクチンの無料接種を行うにあたり、テレビやラジオ、新聞や映画などのメディアで各界の有名人が呼びかけるなど、国をあげてPRに取り組んだ。また、「接種の対象が通学年齢であることから、PRのターゲットを学校にしぼったのが特徴だ」と指摘する。教師や保護者、生徒からの意見を反映したQ&A集を配布した。

 さらに、「接種や検診は女性の看護師や女医が担当することが受診者に安心感を与える」と女性が取り組みやすい配慮を求める。

 こうした取り組みで、英国では、中学校でのワクチン接種率は、接種できない一部の人を除き9割以上にのぼるという。

 吉馴医師は「日本でもワクチン接種は、医療費など190億円の削減できるという効果があるとされる。女性が子宮頸がん予防に取り組みやすい環境を地域ぐるみでつくるべきだ」と指摘している。

(北村理)

【プロフィル】吉馴茂子

 泉大津市出身。昭和40年、東京女子医大卒、阪大で医学博士号取得。大阪厚生年金病院産婦人科医長、済生会富田林病院産婦人科部長など経て、54年に八尾市で開院。

【プロフィル】シャロン・ハンリー

 英・スコットランド出身。国立セント・アンドルーズ大学院修士課程終了。北海道大薬学部非常勤講師など経て、現職。子宮頸がんの啓発活動に取り組む。

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