2010年6月27日
効果上げる大学のエコ対策 武庫川女子大が先進的な取り組み

環境保全への機運が高まるなか、大学が主導する“エコ対策”が効果を上げ始めている。関西では武庫川女子大学(兵庫県西宮市)が学内の省エネ対策のほか、地元ならではの希少農産物を復活させる地域連携型の活動を展開。学内で排出される使用済み天ぷら油をバイオディーゼル燃料として再利用する試みにも乗り出している。
武庫川女子大は2008年5月、大学ぐるみで環境問題に積極的に取り組んでいこうと「環境宣言」を制定。「エコは身近なところから」をテーマに暖房18度、冷房28度の設定温度を推奨し、こまめな消灯実践、エレベーターやエスカレーターより階段を使うなどの省エネ対策を進めている。この結果、毎年上昇してきた学内の電気使用量が昨年度は初めて減少に転じ、前年度比8%(約3000万円相当)の削減に成功した。
また、環境改善のためのアイデアを学内から募って実践しているのも大きな特徴だ。そのひとつが「鳴尾苺(いちご)」を復活させる活動。鳴尾苺は大正時代から地元を代表する農作物として栽培されてきたが、近年その数が激減。このため、08年から地元農家の協力を得て学内の遊休地で鳴尾苺の栽培を始めた。毎年、苗の植え込みや収穫に多くの学生が参加しており、2度目の収穫期を迎えた今春には地元の小学生らを招いてイチゴ狩りのイベントを開催。地域と連携した環境保全活動につながっている。
今年5月からは、学内の食堂などで排出される使用済み天ぷら油の回収処理をバイオディーゼル燃料製造会社に依頼。これをもとに製造された燃料を教員・職員送迎用のワゴン車で使用している。今後はスクールバスの燃料としても活用するほか、大学周辺の地域から出される使用済み天ぷら油も同時に回収処理していきたいという。
広報室の福田徹室長は「環境意識の高い人材を育てるのが、この活動の大きな狙い。電気使用量の削減など具体的な成果が表れ始めたのも、学生の間で“エコ対策”の意識が着実に浸透してきたからだと思います」と話している。関西では他にも、京都精華大学(京都市左京区)や京都工芸繊維大学(同)などで学内の“地球温暖化対策”が積極的に進められている。
一方、学生が主体となって環境を改善しようという動きも活発化している。
「Campas Climate Challenge(キャンパス・クライメイト・チャレンジ)実行委員会」は大学の環境改善活動を進めようと、08年10月に発足。現在、全国約30大学からメンバーが参加している。キャンパスを「大きな実験室」ととらえ、地球温暖化防止のための活動を進めており、昨年は全国の大学を対象に環境対策のアンケート調査を実施。回答のあった107大学の「環境偏差値」(エコ大学ランキング)を公表し、国公立は岩手大学(岩手県)、私立はフェリス女学院大学(神奈川県)がそれぞれ1位に選ばれた。
【写真説明】自分たちの手で栽培した鳴尾苺を収穫する武庫川女子大学の学生たち
(2010年6月27日 11:03)
Category:教育
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