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【女性ががんになるとき】<乳がん>女にとって命と同じぐらい大切なもの 橋本真由美さん

ドイツのベルリン市内にてシンボルの熊と一緒に・・・。

 女にとって命と同じぐらい大切なもの。

 もし、乳房がなくなったら、自分という人間がどう変わってしまうのか。

 ようやく希望通りの仕事についたばかりのときでもありました。

 今まで積み上げてきた自分なりの人生設計がすべて終わってしまうのか。

 毎夜、得体の知れない不安感と恐怖に押しつぶされそうになりました。

 しこりを感じて以来、ようやく病院に足を向けたのが8ヶ月たってから。

 そのころには囊胞(のうほう)の大きさは10センチを超えていました。やはり、診断はステージⅢaの悪性腫瘍(しゅよう)。乳房全摘出が必要と告知されました。

 今から6年前のまだ暑さの残る10月のはじめ、告知されて、しばらくの沈黙のあと、なぜか、ドクターの顔をみてニッコリわらったのを覚えています。ドクターが微笑み返してくれた、そんなささいなことがせめてもの救いになりました。

 でも、乳房の全摘出だけは納得できませんでした。「命が一番よ!」と心配してくれた人もいました。でも…。女としての私はそんなもの?心配してくれてのことですが、そういう人たちに叫びたかった。あなたは女としてそれでいいの?

 誰に向けたらいいかわからない怒り。そのころの心の葛藤は、家の壁や床に無数の傷跡として今も残っています。

 結局、手術に踏み切れたのはドクターや周囲の人の説得ではなく、自分の納得でした。正体がわからないまま悩んでもしかたがありません。自分で調べて、たどりついたのが今の主治医。示されたのは、やはり全摘。でも、もうひとつ選択肢がありました。乳房温存に近い、皮下乳腺摘出。それにかけました。

女にとって命と同じぐらい大切なもの

 逡巡(しゅんじゅん)した分、傷は大きく残ったけれど、女としての私のままでいられました。

 なによりも、相手を知り、立ち向かえたから、今があると今だから思えるのです。

 こう気持ちを打ち明けた相手は、誰でもなく、自由の女神。必ず会いに来ると誓ったから。

 

 

 

【写真説明】
(上)ドイツのベルリン市内にてシンボルの熊と一緒に・・・。
熊の絵柄になっている迷路の様な地図を見て、癌告知を受けてから手術、仕事復帰への道のりを思い起こすと、絵柄と同じく、すんなりと出口に辿りつけず、”曲がりくねった日々を過ごしてきたんだ”と、思わず自身の心と重ね合わせていた。
(下)夕日に照らされる自由の女神
癌を克服して”必ず又、会いに来る”と誓った自由の女神。トーチを高く掲げ、夕日に照らされる力強いその姿が、私の抱いてる望みをも、叶えてくれそうな思いにかられた。

【プロフィル】橋本真由美 兵庫県在住。43歳。夫と2人ぐらし。平成16年10月に乳がん告知。同12月、手術。病名は腺扁平上皮がん。手術後の補助療法はなし。趣味は海外へのひとり旅。現在、がん患者支援団体「キャンサーネットジャパン」大阪事務局で、認定乳がん体験者コーディネーターとして勤務。

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