2010年7月12日
【産創館レポート】時代に合ったかまぼこを提案
大阪・ミナミの戎橋筋商店街に本店を構える大寅蒲鉾(大阪市中央区)。近隣には商業施設が相次ぎオープンし、活気が増している。そのあふれる人波の大半を占める若い世代をターゲットに、老舗かまぼこ店がファストフード感覚で食べられる新商品を開発した。名称は「DAITORA STYLE」。
3年前の春に売り出した「SURIMI-PIE」(すり身パイ)に続き、今年3月には第2弾として「フィッシュ揚げサンド」を発売。市川知明副社長がパンとすり身を組み合わせることができないかと、現場に発案したところ、最初に試作されたのが棒状のすり身にパンを巻いて揚げたもの。「若者に受け入れられるためには、パンの食感をもっと強くしないと」と試行錯誤を繰り返し、新たに考案したのがすり身をサンドイッチ状にはさむ形だった。
商品化に至るまで10~20回の作り直しは当たり前で、「現場は4、5回目で気持ちがなえてくる。開発を指示する側も厳しさを持つ一方、こまめに声を掛け最後まで責任を持って商品化していく気持ちがないとできない」と市川氏は話す。
約30年前から毎年発売しているバレンタインデー用のハート形かまぼこをはじめ、受験シーズンに合わせた合格祈願「絵馬かまぼこ」など季節ごとの商品開発は、同社の得意とするところ。ただ、商品開発の専門チームはなく、新商品数のノルマがあるわけでもない。どこからアイデアがわいてくるのか?
「すり身パイもそうだが、多いのは従業員からの自主的な提案」という。30を超える各販売店で、工場から納品される半製品のすり身を使い、オリジナルのてんぷら(揚げかまぼこ)をつくり、販売することが認められている。女性店長も多く、具材や形状に至るまで発想は豊か。その中から大寅の定番へと育った商品も数多くある。
「かまぼこという日本の伝統食を一人でも多くの人に認知してもらうために、時代に合わせた提案を続けていきたい」と市川氏は話している。
(大阪産業創造館プランナー 濱本圭伊子)
【写真説明】創業130年余を迎える老舗蒲鉾店。戎橋筋本店(写真下)と人気のハート形かまぼこ(同上)。
(2010年7月12日 08:05)
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