産経関西(産経新聞大阪本社公式ニュースサイト)

【女性ががんになるとき】<子宮体がん>闘病記を読んで決断 戸井田和枝さん

【女性ががんになるとき】<子宮頸がん>闘病記をたよりに 戸井田和枝さん

 手術をしてから3年と6ヶ月が経過しました。

 当時は夫と夫の母と私の3人暮らし、自宅で脳障害のある義母の介護をしながら会社から設計の仕事を受け、自宅で作業するという公私のない多忙な日々を送っていました。

 告知を受けた日、大きな手術が必要で長期入院となるであろうことを医師から告げられ、自分ががんであるというショックとともに、義母のことをどうしたらいいのかと頭の中がパニックでした。

 翌日にはケアマネージャーさんにカミングアウト、義母の今後のことを相談しました。「実は私もずっと婦人科のクリニックに通院中で、がんが出たり出なかったりしているんですよ。お母様の事はいくつか施設を探しておきますから、治療に専念して頑張ってくださいね!」と逆告白で励まされ、こんなに身近に同病の人がいた事に驚きました。

 手術が決まり、入院までの1ヶ月の間は病院の検査や義母の介護施設の見学と面接、仕事の引き継ぎ・・・夜は本やネットで具体的にどんな手術をされるのか?治療にはどんな選択肢があるのか?を可能な限り調べました。

 希望する介護施設に申請はしたものの、どこも満室で手術までには間に合わず、とりあえず義母のことはショートステイ(短期入所)で対応。バタバタと年の瀬の12月に手術入院。

 無事に手術を終えた1週間後、身体に繋がれていたたくさんの管から解放されたのはクリスマスイブ・・・開放感を味わったのもつかの間、腰に激痛が走りました。それはうれしくないクリスマスプレゼントでした。

 どうやらお腹の中に膿泡があって、膀胱に尿がたまるとそこを刺激して腰に痛みが出るらしいこと、時間が徐々に解決してくれると思うので痛くなったらトイレへ行け!というのが医師からの説明でした。

 術後の排尿障害は膀胱まわりの神経が傷つき脳への信号が伝わらず、尿がたまっても尿意を感じないという症状。ある程度は予想していた事で、こうなったら腰の痛みを尿意と思え!と自分に言い聞かせていざトイレへ・・・しかし、どう頑張ってみても自尿が1滴も出てこないのでした。

 思い通りにならない自分のカラダ・・・導尿をしてもらいながら看護師さんの前で大泣き。おしっこが出なくて泣くなんて事は思ってもいなかった事態でした。

 それでも1週間もすると、不思議と少しずつ出るようになるもので、病院での年越しや出したおしっこに「よく頑張ったねおめでとう!」と褒められたお正月も全てが貴重な経験でした。手術前から再発リスクが高いがん細胞であることは主治医から聞いていたので、最終の病理の結果が出る前から転移がなかったとしても抗がん剤による治療を覚悟していました。
 

【女性ががんになるとき】<子宮頸がん>闘病記をたよりに 戸井田和枝さん

 化学療法は月に1回で6クール、しかも投与後の点滴時間が長いので毎月5~7日程度の入院が必要・・・長い半年でした。副作用は自分の場合、主に吐き気と頭痛と味覚・嗅覚の障害で投与後の3日間は固形物が食べられずにヘロヘロ。最後の方は水を飲んでも吐いてしまい体重は5キロ減。髪の毛はずいぶん抜けたものの普段は帽子で過ごせる程度でした。

 治療を乗り越える事が出来たのは、闘病記を残してくださっていた先輩ブロガーさんたちのおかげだったと感謝しています。手術も化学療法も、迷いなく決断する事ができましたから。治療をしている半年の間に義母の新たな生活の場となる介護施設も決まり、以前よりやさしい気持ちで介護ができるようにもなりました。

 3年経過した今では微妙に尿意の感覚もわかるようになりつつあります。1つ残念なことは体重が元に戻るどころかじわじわと増え続けていること。どうやら脂肪細胞はがん細胞よりもしつこいらしいので要注意です!

 子宮という臓器を失った喪失感はとても大きなものでしたが、この経験は宝物。病気は“人生は短い、悔いのないように生きなさい”という天からの声だったに違いないという気がしています。

【写真説明】
(上)平成18年12 月:病院近くの銀杏並木…不安を抱えて見上げた冬空だった。
(下)=6 月:治療が終わった季節・・・感謝の気持ちを忘れないでいよう。

【プロフィル】戸井田和枝 47歳。神奈川県在住。平成18年11月、不正出血が気になり産婦人科を受診。大学病院で子宮頸がん・腺がんの告知を受ける。同年12月手術。病巣の位置が頚部と体部の境界にあったため、術後の病理結果で「子宮体がん」へと変更。リンパ節・リンパ管への転移はないが、癌細胞の型が悪性のため再発リスクが高いということで術後化学療法を選択。19年1月〜6月化学療法。趣味は飲食。週末につまみを作ってワインの栓を抜くことを生きがいとしている。フードアナリスト4級。

女 性の医療フォーラム「悩む前に知ろう!」 7月19日大阪・八尾で、参加者募集
【女性がが んになるとき】(上)7・19医療フォーラムを前に
【女性がが んになるとき】(下)7・19医療フォーラムを前に
がんでも働 ける 体験者24人がノウハウ本

前の記事:【女性ががんになるとき】<乳がん>がんからの"贈り物" 桜井なおみさん »

後の記事:【女性ががんになるとき】<子宮頸部腺がん>JUNさん »

ホーム